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2004−2005 Ski Jumping トピックス




[FISワールドカップスキージャンプ リザルト]


[世界ノルディックスキー選手権 リザルト]


[FISグランプリスキージャンプ リザルト]



■国内公式戦(3月)■2005年4月4日
 大変遅くなってしまいましたが、3月に国内で行われた主要公式戦の結果を簡単にまとめておきます。

●3月5日 第76回宮様スキー大会国際競技会ノーマルヒル競技
宮の森ジャンプ競技場 ノーマルヒル HS98/K90

 優勝したのは今シーズン安定した力で常に上位に顔を見せてきている重松健太郎(東京美装)。 92.0mと92.5mを飛んで宮様大会初制覇です。 2位は2ndラウンドで98.0mを飛んだ”ノーマルヒルの鬼”原田雅彦(チーム雪印)、3位は西森享平(丸善食品工業)でした。
 少年組はトマス・トゥルンビヒラー(AUT)が、女史はダニエラ・イラシュコ(AUT)が制しました。

●3月6日 第76回宮様スキー大会国際競技会ラージヒル競技
大倉山ジャンプ競技場 ラージヒル HS134/K120

 この日の優勝は、119.5mと131.0mを飛んだ坂野幸夫(チーム雪印)、2位は前日に引き続き原田雅彦(チーム雪印)で、雪印勢のワンツーフィニッシュとなりました。 3位にはアルツ・ラッピ(FIN)が入りました。
 少年組は栃本翔平(札幌藤野中)がトゥルンビヒラーをおさえて優勝、女子は前日に続いてダニエラ・イラシュコ(AUT)が勝ちました。

●3月9日 FIS第17回国際蔵王ジャンプ大会山形市長杯
蔵王ジャンプ競技場 ノーマルヒル HS100/K90

 この日の天候は芳しくなかったようで、各選手飛距離が伸び悩んだようです。 優勝は87.5mと89.5mを飛んだ櫻井一欽(明治大)、2位は西森享平(丸善食品工業)、3位はトマス・トゥルンビヒラー(AUT)でした。

●3月10日 FIS第17回国際蔵王ジャンプ大会NHK杯
蔵王ジャンプ競技場 ノーマルヒル HS100/K90

 蔵王大会の二日目は天候も持ち直した様子。 優勝は95.5mと96.0mを飛んだ重松健太郎(東京美装)、2位はアルツ・ラッピ(FIN)、3位は坂野幸夫(チーム雪印)でした。

●3月18日 第29回伊藤杯宮の森ナイター・ジャンプ大会
宮の森ジャンプ競技場 ノーマルヒル HS98/K90

 悪天候のため、1stラウンドのみで競技が打ち切られました。 96.0mを飛んだ田中翔太(小樽北照高)と96.5mを飛んだ重松健太郎(東京美装)が同ポイントでトップに並んでそのまま優勝です。 3位には金子祐介(東京美装)が入りました。

●3月25日 第6回伊藤杯シーズンファイナル大倉山ナイタージャンプ大会
大倉山ジャンプ競技場 ラージヒル HS134/K120

 海外遠征組も全員帰国して、シーズン最後の公式戦となりました。 優勝は132.5mと132.0mを飛んだ複合の高橋大斗(土屋ホーム)。 2位には2ndラウンドで大倉山ジャンプ競技場のヒルレコードとなる145.0mをマークした金子祐介(東京美装)が入りました。 3位は湯本史寿(東京美装)でした。

 これで2004-2005のスキージャンプ競技公式戦は、全ての日程を終了しました。


■FISワールドカップスキージャンプ最終戦 プラニツァ大会■2005年3月20日
 4ヶ月に渡る長丁場もいよいよ最終戦。 スロヴェニアのプラニツァで、恒例となったワールドカップ最終戦のフライングヒル個人戦が3月19日〜20日に行われました。 緒戦の予選を18日に行い、翌日の本戦には上位40名が出場。 第2戦にはワールドカップ総合成績上位30名が出場しました。

●3月19日 プラニツァ 個人第27戦 フライングヒル HS215/K185 [リザルト]
 緒戦の天候は曇り、気温14.9〜15.5℃、雪温-7.2〜-7.5℃、風速0.1〜3.5m/s。 さすがに3月中旬となると気温も上がり、ウィンタースポーツとは思えない暖かさです。
 優勝は223.5mと219.5mを飛んだマッティ・ハウタマキ(FIN)。 安定したジャンプで、プラジェラート大会から続くワールドカップ連勝記録を6勝まで伸ばしました。 2位はプラニツァ大会に入ってから絶好調のアンドレアス・ヴィドヘルツル(AUT)、3位はビョルン・アイナー・ルメレン(NOR)でした。
 日本勢は伊東大貴(土屋ホーム)が207.0mと206.5mを飛んで18位に入ったのが最高。 船木和喜(フィットスキー)は32位、岡部孝信(チーム雪印)は37位、葛西紀明(土屋ホーム)は39位で、この3名は2ndラウンドに進むことができませんでした。

●3月20日 プラニツァ 個人第28戦 フライングヒル HS215/K185 [リザルト]
 ワールドカップ総合成績上位30名に、地元スロヴェニアの選手2名を追加して32名のエントリーで行われた今シーズンの最終戦。 天候曇り、気温3.5〜7.0℃、雪温-3.0〜-3.2℃、風速0.5〜2.2m/sと、前日の緒戦よりは条件も回復したようです。
 このシャンツェの最長不倒記録が世界記録にもなるとあって、この日は飛びすぎのスタートゲート設定もそのままに、ヒルサイズを大きく上回るジャンプの応酬となりました。 優勝したのはビョルン・アイナー・ルメレン(NOR)。 1stラウンドで226.0mを飛んで4位につけると、2ndラウンドでは239.0mを飛んでフライングヒル世界記録を更新、逆転優勝を決めました。 2位は1stラウンドでトップに立っていたロアー・ヨケルソイ(NOR)、3位はアンドレアス・ヴィドヘルツル(AUT)でした。 ワールドカップ個人戦連勝記録を6まで伸ばしていたマッティ・ハウタマキ(FIN)は、2ndラウンドで235.5mを飛ぶも表彰台には届かず、4位に終わりました。 ワールドカップ個人総合成績トップのヤンネ・アホネン(FIN)は2ndラウンドでルメレンを上回る240.0mを飛びましたが、惜しくも転倒、6位に終わりました。
 日本勢はトライアルで217.0mをマークした伊東大貴(土屋ホーム)が孤軍奮闘。 1stラウンドでは212.5m、2ndラウンドでは日本人選手最高記録となる222.5mを飛んで13位に入る健闘を見せました。 船木和喜(フィットスキー)は2ndラウンドで202.5mまで飛距離を伸ばして29位、葛西紀明(土屋ホーム)は1stラウンドで185.0m、31位と奮わず、2ndラウンドに進むことができませんでした。

 この試合をもって今シーズンのワールドカップは全ての日程を終えました。 個人総合成績は以下のようになりました。
 1. Janne Ahonen (FIN)           1715
 2. Roar Ljoekelsoey (NOR)       1440
 3. Matthi Hautamaeki (FIN)      1275
 4. Adam Malysz (POL)            1201
 5. Martin Hoellwarth (AUT)      1179
 6. Jakub Janda (CZE)            1164
 7. Thomas Morgenstern (AUT)     1138
 8. Andreas Widhoelzl (AUT)       999
 9. Michael Uhrmann (GER)         804
10. Lars Bystoel (NOR)            613
11. Georg Spaeth (GER)            559
12. Risto Jussilainen (FIN)       526
13. 伊東大貴 (土屋ホーム)         511
14. Bjoern Einar Romoeren (NOR)   467
15. Jernej Damjan (SLO)           451
16. 葛西紀明 (土屋ホーム)         416
30. 船木和喜 (フィットスキー)     133
35. 宮平秀治 (ミズノ)              97
42. 東輝 (日本空調サービス)        77
49. 岡部孝信 (チーム雪印)          57
58. 山田大起 (北野建設)            22
63. 一戸剛 (アインズ)              19
69. 金子祐介 (東京美装)            14
77. 吉岡和也 (土屋ホーム)           8
82. 坂野幸夫 (チーム雪印)           4

 また、国別成績は次のようになりました。
 1.Austria                      5102
 2.Finland                      4711
 3.Norway                       4124
 4.Germany                      3327
 5.Japan                        1820
 6.Slovenia                     1727
 7. Poland                       1630
 8.Czech Republic               1406
 9.Switzerland                   943
10.Russia                        677
11.France                         37
12.United States                  16
13.Kazakhstan                     13
14.Korea                          12
15.Italy                          11

 個人総合成績のトップは文句なしにヤンネ・アホネン(FIN)。 シーズン開幕当初から優勝を重ね、シーズン通算12勝の新記録と、ワールドカップ個人戦最多連勝記録タイとなる6連勝という大記録を打ち立てました。 シーズン終盤から体調を崩して戦列を離れるなどして優勝から遠ざかりましたが、どんな条件でも必ず優勝を狙える位置につける安定感、他の選手が飛距離を伸ばしても動じることのない精神力の強さ、そして何よりもそのジャンプ技術の高さは、王者の名にふさわしいものだったと思います。 2位のロアー・ヨケルソイ(NOR)は、札幌大会で優勝した他、ワールドカップポイントを稼げなかった試合が1試合しかないという安定感を見せてくれました。 3位のマッティ・ハウタマキ(FIN)はシーズン中盤から圧倒的な強さを見せ、アホネンに並ぶワールドカップ個人戦6連勝を達成しました。
 日本勢は伊東大貴(土屋ホーム)と葛西紀明(土屋ホーム)の2人がチームを引っ張りました。 伊東は伝統のジャンプ週間最終戦でビショフスホーフェンのヒルレコードを更新して表彰台に上がるなど、諸外国勢からも注目を浴びる大活躍で総合13位に食い込む健闘を見せました。 葛西はシーズン中盤まで伊東を上回る総合ポイントを獲得していましたが、中盤以降は成績が伸びず、最終戦でポイントを稼げなかったことから総合上位15名からも漏れて、総合16位に終わりました。 船木和喜(フィットスキー)は札幌大会で優勝してポイントを稼ぎましたが、それ以降も上位に食い込むことはできず、総合30位に終わりました。

 国別成績は、選手層の厚さで他の国を圧倒したオーストリアがトップ、2位にはアホネンとM.ハウタマキの二人で個人戦28試合のうち18試合を制したフィンランドが入りました。 3位はシーズン終盤から調子を上げてきたノルウェーが入りました。
 日本は5位。 一時はヤクブ・ヤンダの活躍が光るチェコと5位争いをしていましたが、選手層の厚さで5位に踏みとどまりました。 6位以降の国がポイントですぐ下に迫っており、特に終盤はスロヴェニアに水をあけられていたことを考えると、来シーズンに向けて安穏としていられる結果でないことは明確です。 惨敗した世界選手権の内容を見てもそれは明らかで、今シーズンの成績は今後のチーム強化と選手育成に大きな課題を突きつけるものとなるでしょう。  ([ワールドカップジャンプ全日程]


■ノルディックトーナメント最終戦 ホルメンコーレン大会■2005年3月14日
 ノルディックトーナメントの最終戦は、ノルウェーの首都オスロで行われるお馴染みのホルメンコーレン国際ジャンプ大会。 観客動員数10万人にも及ぶといわれる、シーズン終盤最大規模の有名な大会です。

●3月13日 ホルメンコーレン 個人第26戦 ラージヒル HS128/K115 [リザルト]
 この日の天候は曇り、気温-5.9〜-6.1℃、雪温-8.0℃、風速は0.5〜4.1m/s。 風の条件の強弱に悩まされる試合となりました。 優勝したのは、この試合でもマッティ・ハウタマキ(FIN)。 1stラウンドで127.5mを飛んでトップに立つと、2ndラウンドも128.0mまで飛距離を伸ばし、ノルディックトーナメント全戦全勝の完全制覇を達成しました。 2位はビョルン・アイナー・ルメレン(NOR)、3位はミヒャエル・ウアマン(GER)でした。
 日本勢は伊東大貴(土屋ホーム)が孤軍奮闘。 126.5mと125.0mを飛んで10位に入りました。 以下、東輝(日本空調サービス)は21位、岡部孝信(チーム雪印)は29位でW杯ポイント獲得。 葛西紀明(土屋ホーム)は31位、宮平秀治(ミズノ)は43位で、この両名は2ndラウンドに進めませんでした。

 ノルディックトーナメントの総合順位を下に記します。
 1. Matthi Hautamaeki (FIN)      1103.0
 2. Roar Ljoekelsoey (NOR)       1055.4
 3. Michael Uhrmann (GER)        1032.7
 4. Lars Bystoel (NOR)           1026.9
 5. Janne Ahonen (FIN)           1011.1
 6. Jakub Janda (CZE)            1008.5
 7. Rok Benkovic (SLO)           1002.1
 8. Thomas Morgenstern (AUT)     1000.2
 9. Bjoern Einar Romoeren (NOR)   985.6
10. Andreas Kuettel (SUI)         977.8
19. 伊東大貴 (土屋ホーム)         804.5
26. 葛西紀明 (土屋ホーム)         744.2
40. 岡部孝信 (チーム雪印)         323.1
42. 東輝 (日本空調サービス)       297.1
49. 宮平秀治 (ミズノ)             238.7
57. 船木和喜 (フィットスキー)     169.3
 総合優勝を決めたマッティ・ハウタマキ(FIN)は、ワールドカップ個人第22戦のプラジェラート大会から数えて5連勝、見事としかいいようがありません。 2位のロアー・ヨケルソイ(NOR)も安定した力を見せ、ハウタマキ弟に引けをとらない大きなジャンプを見せてくれました。 開催国出身の両名が総合優勝争いを演じたので、このノルディックトーナメントは地元の観客にとっては最高の盛り上がりになったろうと思います。
 一方、世界選手権以降低調な成績が続く日本勢は、ノルディックトーナメントでもシーズン初めの勢いを取り戻すことはできませんでした。 トーナメント後半から伊東大貴の調子が少しずつ上向いてきたのはたいへん喜ばしいことですが、ベテラン揃いの先輩達のジャンプはチーム最年少の伊東の援護射撃として貧弱であることは否めません。 各々の好不調の差はともかく、今の日本のチーム事情が非常に厳しい状態であることが、今回のトーナメントのリザルトからも容易に見て取れます。

 ホルメンコーレン大会を終えてワールドカップ総合成績の方は、トップがヤンネ・アホネン(FIN)(1661)、2位はロアー・ヨケルソイ(NOR)(1310)、3位はヤクブ・ヤンダ(CZE)(1163)です。 日本勢は伊東大貴(土屋ホーム)(478)が13位、葛西紀明(土屋ホーム)(416)が15位で、予選免除のシード権をまだ確保しています。 国別成績ではトップがオーストリア(4906)、2位はフィンランド(4459)、3位はノルウェー(3623)。 日本(1785)は5位ですが、4位のドイツ(3170)とのポイント差は相当大きく開いています。

 ワールドカップはいよいよ次週が最終戦。 スロヴェニアのプラニツァでフライングヒル個人戦を2戦行います。 初日の成績が悪い選手は二日目の試合に出場することができませんので、初日から大きなジャンプでポイントを積極的に稼ぎに行かねばなりません。 フライングヒルの飛距離世界記録も期待できる大会ですので、期待は大いに高まります。 日本勢には、ここまでの悪い雰囲気を払拭する思い切りの良いジャンプを見せてほしいと思います。 ([ワールドカップジャンプ全日程]


■ノルディックトーナメント第3戦 リレハンメル大会■2005年3月14日
 ノルディックトーナメントはフィンランドからノルウェーに舞台を移し、まずは1994年冬季五輪の会場となったリレハンメルへ。 ここのラージヒルは、ノルディックトーナメントで使用するシャンツェの中では最も大きい台になります。

●3月11日 リレハンメル 個人第25戦 ラージヒル HS134/K120 [リザルト]
 天候曇り、気温1.3〜-0.1℃、雪温-1.0℃、風速0.2〜1.4m/s。 フィンランドよりもだいぶ暖かい天候だったようです。 この試合の優勝は、またもやマッティ・ハウタマキ(FIN)。 1stラウンドは131.0mで6位につけ、2ndラウンドは135.0mを飛んで一気に逆転しました。 2位はシグール・ペテルセン(NOR)、3位はラース・ビストール(NOR)でした。
 日本勢は伊東大貴(土屋ホーム)が復調の兆しを見せ、130.0mと118.0mを飛んで12位に入りました。 以下、葛西紀明(土屋ホーム)は27位でW杯ポイント獲得、船木和喜(フィットスキー)は37位で2ndラウンドに進むことができませんでした。


■ノルディックトーナメント第2戦 クォピオ大会■2005年3月14日
 FISワールドカップスキージャンプ個人第24戦を兼ねた、ノルディックトーナメント第2戦クォピオ大会。 数シーズン前までは開幕戦でよく使われたシャンツェですが、11月末〜12月初頭は風の条件に恵まれないことが多かったためか、今はシーズン終盤のこの時期に試合が組まれることが多くなりました。

●3月9日 クォピオ 個人第24戦 ラージヒル HS127/K120 [リザルト]
 天候快晴、気温-9.0〜-10.0℃、雪温-9.0℃、風速0.1〜1.9m/s。 ナイトゲームで競技が行われました。 優勝したのはマッティ・ハウタマキ(FIN)。 1stラウンドで130.5m、2ndラウンドでは128.0mを飛んでの完勝です。 2位はロアー・ヨケルソイ(NOR)、3位はヤクブ・ヤンダ(CZE)でした。
 日本勢は伊東大貴(土屋ホーム)が120.0mと115.0mを飛んで23位に入ったのが最高。 葛西紀明(土屋ホーム)はかろうじて2ndラウンドに進んで29位に終わりました。 岡部孝信(チーム雪印)は32位、宮平秀治(ミズノ)は50位で、この両名は2ndラウンドに進むことができませんでした。


■FISワールドカップスキージャンプ ラハティ大会■2005年3月7日
 3月に入ってワールドカップは今シーズンの最終節に突入、北欧諸国を転戦して総合成績を争うノルディックトーナメントの緒戦を兼ねたラハティ大会が開幕しました。 風が強いことで有名なラハティのラージヒルで、団体戦と個人戦が1戦ずつ行われました。

●3月5日 ラハティ 団体第3戦 ラージヒル HS130/K116 [リザルト]
 まず最初は団体戦。 天候は快晴、気温-5.0〜-6.0℃、雪温-5.1〜-5.7℃、風速は0.3〜2.3m/sという条件でした。 この団体戦を制したのはノルウェー(ルメレン/ステンスルード/フォアファンク/ヨケルソイ)。 4人全員が2本とも120mを越え、2ndラウンドの最後はヨケルソイがこの日の最長不倒距離となる128.0mを飛んで逃げ切りました。 2位はフィンランド(J.ハウタマキ/ユシライネン/M.ハウタマキ/アホネン)、3位はオーストリア(ロイツル/リーグル/モルゲンシュテルン/ヘルヴァルト)でした。 日本は 宮平秀治/船木和喜/伊東大貴/葛西紀明 のオーダーで臨み、7位に終わりました。

●3月6日 ラハティ 個人第23戦 ラージヒル HS130/K116 [リザルト]
 ラハティ大会二日目は個人戦。 ノルディックトーナメントの成績計算ではこの個人戦が本当の緒戦となります。 天候は快晴、気温-7.2〜-7.4℃、雪温-6.3℃、風速0.4〜2.2m/sという記録ですが、数字以上に風の条件が厳しかったのか、1stラウンドで一度記録がキャンセルされてスタートリスト前半の選手が飛び直しになるという場面もありました。
 優勝はマッティ・ハウタマキ(FIN)。 1stラウンドで127.5mを飛んでトップに立ち、2ndラウンドも落ち着いたジャンプで124.5mまで飛距離を伸ばして、プラジェラート大会に続いての連勝となりました。 2位はロアー・ヨケルソイ(NOR)、3位はトマス・モルゲンシュテルン(AUT)でした。
 日本勢は葛西紀明(土屋ホーム)がかろうじて2ndラウンドに進み、110.5mと116.5mで25位に入ったのが最高。 伊東大貴(土屋ホーム)は41位、船木和喜(フィットスキー)は45位、宮平秀治(ミズノ)は47位、東輝(日本空調サービス)は48位と、全体的に低調でした。

 ワールドカップ個人総合成績は、ヤンネ・アホネン(FIN)(1576)がトップ、2位がロアー・ヨケルソイ(NOR)(1158)、3位はマルティン・ヘルヴァルト(AUT)(1115)。 伊東大貴(土屋ホーム)(422)は13位、葛西紀明(土屋ホーム)(410)は14位で、予選免除のシード権を確保しています。 国別成績はトップがオーストリア(4642)、2位はフィンランド(3993)、3位はノルウェー(3010)。 日本(1711)は5位となっています。

 次の試合はノルディックトーナメント2戦目となるクォピオ大会。 3月9日にクォピオのラージヒルで個人戦を行います。 ジャンプ週間並のハードスケジュールで続くトーナメントは、シーズン終盤戦を迎えた選手達にとっても相当厳しいものになるでしょう。 ラハティ大会で奮わなかった日本勢にも、巻き返しとなる大ジャンプを期待したいところです。([ワールドカップジャンプ全日程]


■FISコンチネンタルカップスキージャンプ ヴィケルスン大会■2005年3月7日
 ワールドカップではフライングヒルで有名なノルウェーのヴィケルスンですが、今回のコンチネンタルカップはノーマルヒルです。 日本からも選手が参加して、ワールドカップと同様に今季の最終節が始まりました。

●3月5日 ヴィケルスン 個人第28戦 ノーマルヒル HS100/K90
 優勝は99.0mと96.5mを飛んだヤンネ・ハッポネン(FIN)、2位はラインハルト・シュヴァルツェンベルガー(AUT)、3位はアンデルス・バルダル(NOR)でした。 日本勢は金子祐介(東京美装)が11位タイ、湯本史寿(東京美装)が18位、一戸剛(アインズ)が24位、山田大起(北野建設)が33位でした。

●3月6日 ヴィケルスン 個人第29戦 ノーマルヒル HS100/K90
 この日の優勝もヤンネ・ハッポネン(FIN)。 101.5mと97.0mを飛んで逃げ切りました。 2位はアンデルス・バルダル(NOR)、3位はラインハルト・シュヴァルツェンベルガー(AUT)でした。 日本勢は湯本史寿(東京美装)が9位、金子祐介(東京美装)が10位、一戸剛(アインズ)が13位タイ、山田大起(北野建設)が37位でした。


■FISコンチネンタルカップスキージャンプ アイアンマウンテン大会■2005年2月28日
 コンチネンタルカップのアメリカシリーズ、この週はアイアンマウンテンでラージヒル個人戦が2戦行われました。 前週のウェストビー大会に参加した選手達がそのままこの大会にもエントリーしているようで、リザルトリストに並ぶ顔ぶれもほぼ同じです。

●2月26日 アイアンマウンテン 個人第26戦 ラージヒル HS133/K120
 優勝は134.0mと130.0mを飛んだアンデルス・バルダル(NOR)、2位はシュテファン・トゥルンビヒラー(AUT)、3位はクリスチャン・ナギラー(AUT)でした。 続く4位、5位にもオーストリアの選手が入賞し、上位10位以内のうち6名がオーストリア勢で占められました。

●2月27日 アイアンマウンテン 個人第27戦 ラージヒル HS133/K120
 降雪の悪条件の下行われた大会二日目、優勝したのはこの日もアンデルス・バルダル(NOR)でした。 108.5mと117.5mを飛び、ウェストビー大会から通算4連勝となりました。 2位はマキシミリアン・メヒラー(GER)、3位はロック・ウルバンチ(SLO)でした。


■世界ノルディックスキー選手権 ラージヒル個人・団体■2005年2月28日
 世界選手権の純ジャンプ競技後半戦は、ラージヒル個人戦と同団体戦です。 この大会いずれの種目も夕方からの試合開始で、ちょうどシャンツェ周辺の風向きが悪くなり始める時間帯と重なったために、特に競技開始から早めの時間帯で飛んだ選手達の間では風の条件に差があったかもしれません。 日本チームはノーマルヒルでは控えに回っていた宮平秀治(ミズノ)をメンバーに加えて、ノーマルヒルの雪辱を狙います。

●2月25日 ラージヒル個人 HS137/K120 [リザルト]
 天候曇り、気温-4.1〜-4.4℃、雪温-1.8〜-2.2℃、風速0.3〜2.9m/sと、風の強さの強弱が大きかった他は比較的安定した条件で行われました。 2ndラウンドではヒルサイズを上回るジャンプが続出して、非常に見応えのある試合展開になりました。
 優勝したのは、ワールドカップ総合成績トップを独走するヤンネ・アホネン(FIN)。 1stラウンドで141.5mを飛んでトップに立つと、2ndラウンドでも142.5mまで飛距離を伸ばし、並み居る強豪を抑えて逃げ切りました。 2位はロアー・ヨケルソイ(NOR)、3位はヤクブ・ヤンダ(CZE)でした。 ノーマルヒル個人戦を制したロック・ベンコビッチ(SLO)は5位に終わりました。
 日本勢はこの試合でも低調な成績。 125.5mと119.5mを飛んだ宮平秀治(ミズノ)が25位に、125.5mと119.0mを飛んだ岡部孝信(チーム雪印)が28位に入りましたが、31位の伊東大貴(土屋ホーム)と36位の葛西紀明(土屋ホーム)は2ndラウンドに進むことができませんでした。

●2月26日 ラージヒル団体 HS137/K120 [リザルト]
 個人戦の翌日に行われた団体戦。 天候は曇りのち雪、気温-3.6〜-4.1℃、雪温-3.0℃、風速は0.5〜3.8m/s。 2ndラウンドになって雪がちらついてくる生憎の条件でしたが、強豪選手が顔を並べる後半にはヒルサイズ前後のジャンプが多く出て、前日の個人戦と同様にエキサイティングな試合展開になりました。
 優勝したのはノーマルヒル団体戦も制したオーストリア(ロイツル/ヴィドヘルツル/モルゲンシュテルン/ヘルヴァルト)。 4人が飛んだジャンプ合計8本全てが130mを越えるというハイレベルな内容でした。 2位はフィンランド(ユシライネン/キウル/M.ハウタマキ/アホネン)、3位はノルウェー(ルメレン/ペテルセン/ビストール/ヨケルソイ)でした。
 日本チームはこの大会に入って調子を落としている伊東大貴をメンバーから外し、葛西紀明/岡部孝信/宮平秀治/東輝 のオーダーで臨みました。 4人の中で最初に飛ぶ葛西がどこまで飛距離を伸ばせるかが一つのポイントでしたが、あえなく111.5mに沈んで勢いも半減。 結局1stラウンドでは、K点を越えたのが岡部孝信の120.5mだけという低調さで全体の10位に終わり、ノーマルヒル団体戦に続いて2ndラウンドに進めませんでした。

 純ジャンプ競技4種目で日本勢の入賞無しという、惨憺たる内容で終わってしまった世界選手権ですが、優勝争いはさすがにハイレベルで、息をつく暇も無い大ジャンプの応酬はたいへん見応えがありました。 4種目を通じて最大の”台風の目”となったロック・ベンコビッチ(SLO)が公式練習や予選・本戦を通じて1本も失敗をしなかったこと、ワールドカップ総合成績上位につける強豪選手達が持てる実力を余すところ無く発揮して大きなジャンプを見せてくれたことが、今大会が盛り上がった最大の要因でした。 それまでワールドカップでは表彰台に上がったことすらなかった”若武者”ベンコビッチが、総合成績上位に並ぶベテラン選手達の牙城を如何に突き崩せるか、という構図がラージヒルではありありと見受けられて、試合展開もよりドラマチックに感じることができたような気がします。 世界最高峰の力と技術が鎬を削る場として、今大会は大成功に終わったと言えるでしょう。

 一方で大変残念だったのは、やはり日本勢の不調でしょう。 純ジャンプに限らず他の競技でも入賞者は無く、寂しい内容の大会となってしまいました。 スキージャンプ競技だけを見ていても、世界のトップクラスの選手達との差が技術面でも精神面でも感じられ、来年のトリノ冬季五輪や再来年の札幌世界ノルディックに向けて課題を多く残す結果となりました。 ワールドカップの試合はこの後もまだ残っており、参加メンバーもスタッフも既に決まっていますが、ナショナルチームとしての運営方針や管理体制、選手強化対策などで改善せねばならない点には早急にメスを入れる必要があると思います。 今大会で露呈した日本チームの脆さ、アンバランスさ、そして諸外国勢との実力差を、どのように解釈しどのように対策を立ててゆくのか。 厳しい現実を突きつけられた世界選手権でした。

 次週からはワールドカップが再開されます。 北欧諸国を転戦するノルディックトーナメントを兼ねた試合です。 まずはフィンランドのラハティで、3月5日〜6日にラージヒル団体戦と個人戦が予定されています。([ワールドカップジャンプ全日程]


■世界ノルディックスキー選手権 ノーマルヒル個人・団体■2005年2月21日
 ドイツのオーベルシュトドルフで始まった2005世界ノルディックスキー選手権。 純ジャンプはノーマルヒル、ラージヒルとも個人戦と団体戦の両方を行います。 今シーズン最大規模の大会であり、また来シーズンに迫ったトリノ冬季五輪を控えて、選手毎、チーム毎に様々な課題が試される舞台となるでしょう。 大会前半はHS100のノーマルヒルを使って、個人戦と団体戦が行われました。

●2月19日 ノーマルヒル個人 HS100/K90 [リザルト]
 天候曇り、気温-1.0〜1.0℃、雪温-1.6〜-2.0℃、風速0.3〜3.0m/sという条件で行われた個人戦。 夕方から始められた決勝ラウンドは、風の強さが若干不安定だったものの、比較的落ち着いた天候の下で行われました。
 優勝したのはロック・ベンコビッチ(SLO)。 1stラウンドでこの日の最長不倒距離となる101.0mを飛んでトップに立つと、2ndラウンドもK点を越える91.0mを飛んで、世界選手権初優勝を決めました。 2位はヤクブ・ヤンダ(CZE)、3位はヤンネ・アホネン(FIN)でした。
 日本勢は東輝(日本空調サービス)が89.5mと94.5mを飛んで18位タイに入ったのが最高。 葛西紀明(土屋ホーム)は93.5mと90.0mを飛んで21位でした。 伊東大貴(土屋ホーム)は36位、岡部孝信(チーム雪印)は37位タイで、この両名は2ndラウンドに進むことができませんでした。

●2月20日 ノーマルヒル団体 HS100/K90 [リザルト]
 雪が降りしきる生憎の天候で行われた団体戦。 気温は-1.0〜-2.9℃、雪温は-1.2〜-1.3℃、風速は0.5〜3.8m/s。 試合が進むにつれて雪もひどくなっていき、非常に厳しい条件だったといえます。
 優勝したのはオーストリア(ロイツル/ヴィドヘルツル/モルゲンシュテルン/ヘルヴァルト)。 1stラウンドの第1グループでロイツルが97.5mを飛んでトップに立ち、そのまま2ndラウンドの第4グループまでトップの座を譲ることはありませんでした。 ワールドカップ国別成績でトップを独走する実力と選手層の厚さは、団体戦でも他の国を寄せつけません。 2位は地元ドイツ(ノイマイヤー/シュミット/ウアマン/シュペート)、3位はスロヴェニア(ペテルカ/ボガタイ/ベンコビッチ/ダミヤン)でした。
 日本は 伊東大貴/岡部孝信/東輝/葛西紀明 のオーダーで臨みましたが、1stラウンドでK点を越えたのは東の90.5m一本だけ。 結局1stラウンドは9位と低調な成績に終わり、8位までが進める2ndラウンドに残ることができませんでした。

 これまで日本選手は、どちらかというとオリンピックよりも世界選手権で良い成績を残してきた経緯がありますが、今大会はかなり厳しい状況です。 個人戦・団体戦共に各選手のジャンプには固さが残り、またワールドカップ個人総合成績で上位につける伊東が今大会に入ってから大きなジャンプが出ていないこともあり、チーム全体に重苦しい雰囲気が漂っているような気がします。 象徴的だったのは団体戦のジャンプで、天候の条件の悪さを言い訳にはできない明らかな失敗ジャンプが4人続いてしまいました。 大会後半にはラージヒルの個人戦と団体戦が行われます。 それまでに暗いムードを払拭してもらって、本来の実力通りのジャンプを期待したいところです。


■FISコンチネンタルカップスキージャンプ ウェストビー大会■2005年2月21日
 アメリカのウェストビーで行われたコンチネンタルカップスキージャンプ個人第24戦と25戦の結果です。 世界選手権と時期が重なっているため注目度は低いかもしれませんが、ワールドカップ昇格を狙う選手は一戦一戦少しずつでもポイントを稼がなくてはなりません。

●2月19日 ウェストビー 個人第24戦 ラージヒル HS117/K106
 優勝したのは114.5mと122.0mを飛んだアンデルス・バルダル(NOR)。 2位はマヌエル・フェットナー(AUT)、3位はバルタザール・シュナイダー(AUT)でした。

●2月20日 ウェストビー 個人第25戦 ラージヒル HS117/K106
 この日の優勝も前日に引き続いてアンデルス・バルダル(NOR)。 109.0mと119.0mを飛んで連勝です。 2位はロック・ウルバンチ(SLO)、3位はカレ・ケイトゥリ(FIN)でした。 バルダルの連勝で終わったウェストビー大会ですが、全体的にはオーストリア勢が多く上位に顔を見せて、層の厚さを伺わせました。


■国内公式戦(2月12日〜13日)■2005年2月14日
●2月12日 札幌スキー連盟会長杯ジャンプ大会兼第16回TVh杯ジャンプ大会
大倉山ジャンプ競技場 ラージヒル HS134/K120

 優勝したのは、ワールドカップの遠征を一時休止して調整中の東輝(日本空調サービス)。 135.5mと121.0mを飛んで、実力の差を見せつけました。 2位は金子祐介(東京美装)、3位は重松健太郎(東京美装)でした。
 女子は二人だけのエントリー。 嘉部恵梨奈(青山学院大)が82.0mと76.0mを飛んで制しました。 澤谷夏花(余市西中)は2ndラウンドに転倒し、棄権しました。

●2月13日 第46回NHK杯ジャンプ大会
大倉山ジャンプ競技場 ラージヒル HS134/K120

 優勝は世界選手権に向けて国内調整中の宮平秀治(ミズノ)。 133.5mと127.0mを飛び、少しずつ復調の兆しを伺わせています。 2位は2ndラウンドに最長不倒距離となる138.0mを飛んだ金子祐介(東京美装)、3位は西森享平(丸善食品工業)でした。
 女子は前日に引き続き嘉部絵里香(青山学院大)が優勝、澤谷夏花(余市西中)が2位でした。


■FISコンチネンタルカップスキージャンプ 個人第20戦〜23戦■2005年2月14日
 コンチネンタルカップは引き続きドイツシリーズ。 ブラウンラーゲのノーマルヒルで個人戦を2戦、ブロッテローデのラージヒルで個人戦を2戦行いました。 日本人選手は今大会に参加していません。

●2月5日 ブラウンラーゲ 個人第20戦 ノーマルヒル HS100/K90
 優勝は97.0mと100.0mを飛んだトマス・ロベン(NOR)、2位はロベルト・クラニェチ(SLO)、3位はプリモジュ・ピクル(SLO)でした。

●2月6日 ブラウンラーゲ 個人第21戦 ノーマルヒル HS100/K90
 この日も優勝はトマス・ロベン(NOR)。96.5mと98.5mを飛んで接戦を制しました。 2位はチェ・ヨンジク(KOR)、3位はロック・ウルバンツ(SLO)でした。

●2月12日 ブロッテローデ 個人第22戦 ラージヒル HS117/K105
 優勝は調子を上げてきたチェ・ヨンジク(KOR)。 109.5mと123.5mを飛んでの逆転優勝でした。 韓国の選手がコンチネンタルカップを制するのはこれが初めてでしょうか。 2位はカレ・ケイトゥリ(FIN)、3位はバスチャン・カルテンベック(AUT)でした。

●2月13日 ブロッテローデ 個人第23戦 ラージヒル HS117/K105
 この日の優勝は117.5mと115.5mを飛んだカレ・ケイトゥリ(FIN)。 2位はマヌエル・フェットナー(AUT)、3位はシュテファン・トゥルンビヒラー(AUT)でした。 前日優勝したチェは惜しくも5位に終わりました。


■FISワールドカップスキージャンプ プラジェラート大会■2005年2月14日
 トリノ冬季五輪を来年に控え、その開催地であるトリノで行われたこの大会。 いわゆるプレオリンピックとして、冬季五輪で使用するシャンツェで行われる初めてのワールドカップとなります。 オーベルシュトドルフの世界ノルディックスキー選手権の調整のために出場していない選手もおりましたが、一年後のビッグタイトルを睨みトリノ/プラジェラートのシャンツェの感触を確かめることも重要なポイントだったろうと思います。

●2月11日 トリノ/プラジェラート 個人第22戦 ラージヒル HS140/K125 [リザルト]
 天候曇り、気温6.4〜7.5℃、雪温-0.3〜-0.4℃、風速0.2〜3.3m/sと、ジャンプ競技を行えるとは到底思えないような暖かい日でした。 湿った雪と変化の激しい風で、選手達は相当苦しんだようです。 優勝はマッティ・ハウタマキ(FIN)。 1stラウンドに132.5m、2ndラウンドには134.5mと、この試合中で唯一2本とも130mを越えて圧勝しました。 2位はミヒャエル・ウアマン(GER)、3位はトマス・モルゲンシュテルン(AUT)でした。
 日本勢は他の大多数の選手と同じく条件の悪さに泣かされました。 葛西紀明(土屋ホーム)は1stラウンドで110.0m、2ndラウンドでは悪条件の中119.5mまで飛距離を伸ばして、何とか18位に食い込みました。 以下、岡部孝信(チーム雪印)は24位でワールドカップポイントを獲得しましたが、伊東大貴(土屋ホーム)は32位、一戸剛(アインズ)は41位で、この両名は2ndラウンドに進むことができませんでした。

●2月12日 トリノ/プラジェラート 団体第2戦 ラージヒル HS140/K125 [リザルト]
 今シーズン2戦目となる団体戦。 この日も前日の個人戦と同様に暖かく、天候は曇り、気温5.3℃、雪温-0.4℃、風速0.3〜2.8m/sと、厳しい条件で行われました。 悪天候のため2ndラウンドはキャンセルとなり、1stラウンドの結果だけで順位が確定しました。
 優勝はオーストリア(ヴィドヘルツル/ロイツル/モルゲンシュテルン/ヘルヴァルト)。 ヴィドヘルツルが128.5mを飛んで第1グループでトップに立つと、そのまま第4グループまでトップを守りきりました。 2位はスロヴェニア(ペテルカ/クラニェチ/ベンコビッチ/ダミヤン)、3位はドイツ(リッツェルフェルト/シュミット/ホッケ/ウアマン)でした。 日本は 伊東/岡部/一戸/葛西 のオーダーで臨み、6位でした。

 個人総合成績は、トップがヤンネ・アホネン(FIN)(1526)、2位がマルティン・ヘルヴァルト(AUT)(1086)、3位がロアー・ヨケルソイ(NOR)(1078)。 伊東大貴(土屋ホーム)(422)は13位に後退、葛西紀明(土屋ホーム)(404)は14位と現状維持、というところです。 国別成績は、トップがオーストリア(4241)、2位はフィンランド(3466)、3位はドイツ(2538)。 日本(1605)は順位変わらず5位です。

 終始気象条件の悪さに泣かされたプラジェラート大会。 冬季五輪で使用するシャンツェの感触を確かめる以前に、競技そのものがまともに成立しないような天候になってしまったのは、不運以外の何物でもありません。 二日間を通じて転倒した選手はいなかったようですが、次週に控える世界選手権のために、くれぐれも悪い感触を残さないようにしたいところです。([ワールドカップジャンプ全日程]


■FISワールドカップスキージャンプ 札幌大会■2005年2月6日
 今シーズンの日本でのワールドカップは、白馬の試合がスケジュールから外されて札幌のみとなりました。 世界選手権を約2週間後に控える2月5日〜6日、札幌・大倉山ジャンプ競技場でラージヒル(HS134)個人戦が2戦行われました。

 日本チームは通常のワールドカップ出場枠の他に開催国枠6名分を使い、総勢12名が参加しました。 ワールドカップ個人総合成績の上位3名(ヤンネ・アホネン(FIN)/ヤクブ・ヤンダ(CZE)/アダム・マリシュ(POL))を始め多くの強豪選手が不参加となり、参加選手数が予選通過枠50名を下回る41名と寂しい内容でしたが、前週のザコパネ大会に不参加だった日本チームにとってはワールドカップポイントを稼ぐ絶好のチャンスでもあります。

●2月5日 札幌/大倉山 個人第20戦 ラージヒル HS134/K120 [リザルト]
 ナイトゲームで行われたこの試合、天候は雪、気温-4.3℃、雪温-3.8℃、風速0.3〜3.8m/sと不安定な気象条件で、大倉山特有の風の変化も相まって、多くの選手が苦しんだ試合でした。 2ndラウンド途中で雪の勢いが強くなって競技はキャンセルされ、1stラウンドのみの結果で順位が確定しました。
 優勝は船木和喜(フィットスキー)。 1stラウンド最初のジャンプは降雪の影響でアプローチのスピードが遅かったとの判断からキャンセルされ、飛び直しとなったジャンプで135.0mのビッグアーチを描いてトップに立ち、そのまま優勝が確定しました。 1999年3月のワールドカップ・ラハティ大会ノーマルヒルを制して以来、6シーズンぶりのワールドカップ優勝となります。 2位は1stラウンドの最長不倒距離135.5mを飛んだトマス・モルゲンシュテルン(AUT)、3位はロアー・ヨケルソイ(NOR)でした。
 その他の日本人選手は、葛西紀明(土屋ホーム)が9位、東輝(日本空調サービス)が10位、宮平秀治(ミズノ)が17位、湯本史寿(東京美装)が21位、岡部孝信(チーム雪印)が23位、吉岡和也(土屋ホーム)が26位、一戸剛(アインズ)が27位でした。 また、伊東大貴(土屋ホーム)は33位、金子祐介(東京美装)が35位、山田大起(北野建設)が37位、坂野幸夫(チーム雪印)が39位で、この4名はワールドカップポイントを獲得することができませんでした。

●2月6日 札幌/大倉山 個人第21戦 ラージヒル HS134/K120 [リザルト]
 前日にも増して雪の降りが強くなってしまった二日目。 気温-0.7〜-1.0℃、雪温-0.2℃、風速0.2〜4.0m/s。 湿った雪が断続的に降り続き、風の条件は安定せず、非常にシビアな条件での試合となりました。
 優勝したのはロアー・ヨケルソイ(NOR)。 雪が若干落ち着いた条件で飛んだ1stラウンドは137.5mをマークし、2ndラウンドも絶好の向かい風を味方にして137.0mまで飛距離を伸ばし、圧勝しました。 2位は2ndラウンドでこの試合の最長不倒距離139.0mを飛んだリスト・ユシライネン(FIN)、3位はトマス・モルゲンシュテルン(AUT)でした。
 日本勢は葛西紀明(土屋ホーム)が2ndラウンドで粘りのジャンプを見せて、118.0mまで飛距離を伸ばし7位に食い込んだのが最高位。 前日優勝した船木和喜(フィットスキー)は10位、山田大起(北野建設)は12位、一戸剛(アインズ)は16位、金子祐介(東京美装)は17位、岡部孝信(チーム雪印)は18位、宮平秀治(ミズノ)は21位、坂野幸夫(チーム雪印)は27位、湯本史寿(東京美装)は29位でした。 また吉岡和也(土屋ホーム)は32位、伊東大貴(土屋ホーム)は33位、東輝(日本空調サービス)は35位で、この3名はワールドカップポイントを獲得することができませんでした。

 個人第21戦までを終えて、個人総合成績はヤンネ・アホネン(FIN)(1526)がトップ、2位はロアー・ヨケルソイ(NOR)(1078)、3位はマルティン・ヘルヴァルト(AUT)(1036)となりました。 日本勢は伊東大貴(土屋ホーム)(422)が12位、葛西紀明(土屋ホーム)(391)が14位で、予選免除のシード権を確保。 一日目に優勝した船木和喜(フィットスキー)(131)が一気に順位を上げて25位に上がってきました。 国別成績ではオーストリア(3679)のトップは安泰、日本(1435)はチェコを抜いて5位に上がりました。

 二日間とも厳しい気象条件との闘いとなってしまった今年の札幌大会。 まるで去年の白馬大会を観ているようで、あの時白馬の観客席で観戦していた私にはTV越しに観戦するのも辛い試合でした(笑)。 風が激しく舞うことで有名な大倉山ですから、白馬で雪が降る時よりも難しい条件だったのではないかと思います。
 結果的に競技は「強行されて」二日間の幕を閉じましたが、1本の飛躍だけで終わってしまった一日目も、雪で何度も中断した二日目も、どこか不公平感を感じざるを得ない試合であったのは残念でした。 実際に競技に臨んだ選手達はさぞかししんどかったでしょうが、良い結果を出せた選手は素直にその結果を喜び、結果を残せなかった選手はなるべく早く気持ちを切り替えて、それぞれ次の試合に向けて動き出してほしいですね。

 次のワールドカップの舞台はイタリアのプラジェラート。 来年に控えたトリノ冬季五輪の舞台となるシャンツェのラージヒルで、個人戦と団体戦を1戦ずつ行います。 所謂”プレオリンピック”であり、また2月中旬世界ノルディックスキー選手権も控えていますので、この試合にどのように臨むかは非常に重要な意味合いがあります。 今回の札幌大会に出場を見合わせた強豪選手達も参加するでしょうから、かなりハイレベルな試合が期待できそうです。([ワールドカップジャンプ全日程]


■国内公式戦(1月後半)■2005年2月1日
 ワールドカップ遠征組が一時帰国して調整に当たっている時期ですが、伊東大貴や葛西紀明など一部の選手は試合に出場していません。 1月後半に行われたこれらの試合も、主導権はコンチネンタルカップ遠征組と国内残留組が中心になりました。

●1月22日 第17回UHB杯ジャンプ大会
大倉山ジャンプ競技場 ラージヒル HS134/K120

 優勝は安定した強さを見せた一戸剛(アインズ)。 1stラウンドで135.0mの最長不倒距離を飛び、2ndラウンドも122.5mと上手くまとめました。 2位は金子祐介(東京美装)、3位は西森享平(丸善食品工業)でした。
 女子組は山田いずみ(ロイズ)が116.0mと109.0mで制しました。

●1月29日 第83回全日本スキー選手権大会兼第10回NBS北野杯白馬ジャンプ大会
白馬ジャンプ競技場 ノーマルヒル HS98/K90

 晴天の好条件で行われた全日本選手権ノーマルヒル。 優勝したのは91.5mのジャンプを2本揃えた原田雅彦(チーム雪印)でした。 2位は2ndラウンドで最長不倒距離の92.0mを飛んだ一戸剛(アインズ)、3位は山田大起(北野建設)でした。
 女子は山田いずみ(ロイズ)が86.5mと89.5mで優勝しました。

●1月30日 第83回全日本スキー選手権大会兼第10回SBC杯白馬ジャンプ大会
白馬ジャンプ競技場 ラージヒル HS134/K120

 ラージヒルでも安定したジャンプが続く一戸剛(アインズ)、113.5mと123.0mを飛んで全日本選手権初制覇を成し遂げました。 2位は船木和喜(フィットスキー)、3位は原田雅彦(チーム雪印)でした。
 女子は渡瀬あゆみ(ロイズ)が117.5mと114.5mで全日本選手権初優勝。 山田いずみは3位で、今季初めて優勝を逃したことになります。


■FISワールドカップスキージャンプ ザコパネ大会■2005年2月1日
 近年のアダム・マリシュ(POL)の大活躍でスキージャンプ熱が急上昇したと言われるポーランド。 ザコパネはそのポーランドの中でも古くから国際大会で使用されてきた、歴史のあるシャンツェです。 日本勢が一時帰国して不参加で行われたこの試合、マリシュがポーランド国民の期待に応えられるかどうかが最大のポイントでした。

●1月29日 ザコパネ 個人第18戦 ラージヒル HS134/K120 [リザルト]
 天候は曇り、気温-13.0〜-15.0℃、雪温-11.0〜-12.0℃、風速0.1〜1.7m/sと、当日はかなり冷え込んだようです。 優勝したのはアダム・マリシュ(POL)とロアー・ヨケルソイ(NOR)。 マリシュは1stラウンドで129.5mを飛んで2位につけると、2ndラウンドではこの日の最長不倒距離となる131.0mを飛んで追い上げました。 ヨケルソイは1stラウンドでトップとなる130.0mを飛び、2ndラウンドも落ち着いたジャンプで128.0mまで飛距離を伸ばしました。 ワールドカップで2人が同ポイントで優勝となるのは珍しいことですね。 3位はこのところ調子が上がってきたリスト・ユシライネン(FIN)でした。 ヤンネ・アホネン(FIN)は精彩を欠き、4位に終わりました。

●1月30日 ザコパネ 個人第19戦 ラージヒル HS134/K120 [リザルト]
 二日目も一日目と同様に冷え込んだ模様。 気温-12.0〜-13.0℃、雪温-10.0〜-11.0℃、風速は0.1〜1.5m/s。 両日とも、微妙な風の条件の差が飛距離に大きく影響しそうな感じです。 この日の優勝もアダム・マリシュ(POL)。 1stラウンドでは132.0mで着地も決めてトップに立ち、2ndラウンドでも132.0mまで飛距離を伸ばして2連勝を果たしました。 2位はヤンネ・アホネン(FIN)、3位はロアー・ヨケルソイ(NOR)でした。

 個人第19戦までを終えて総合成績は、トップがヤンネ・アホネン(FIN)(1526)、2位はザコパネ2連勝のアダム・マリシュ(POL)(994)、3位はヤクブ・ヤンダ(CZE)(979)です。 不参加の日本勢は、伊東大貴(土屋ホーム)(422)が11位、葛西紀明(土屋ホーム)(326)が14位と、予選免除のシード権は確保しています。 国別成績はトップがオーストリア(3340)、2位はフィンランド(2935)と上位の順位は変わりませんが、日本が参加しなかったのでチェコ(1153)が5位に順位を上げています。

 次のワールドカップはいよいよ札幌・大倉山です。 2月5日〜6日にラージヒル(HS134)個人戦を2戦行います。 海外の強豪選手では、既にヤンネ・アホネンとマッティ・ハウタマキ(いずれもFIN)が不参加を表明しているようですが、個人総合成績で圧倒的首位に立つアホネンが参加しないとなれば、その他の選手のポイント争いが激しくなるのは必至です。 国内で調整を続けている日本のワールドカップ組がこの試合でどこまで成績を伸ばせるか、注目したいと思います。([ワールドカップジャンプ全日程]


■FISコンチネンタルカップスキージャンプ ラウシャ大会■2005年2月1日
 ドイツのラウシャで行われたコンチネンタルカップの結果をまとめます。 聞き慣れない名前のシャンツェですが、約30台あるドイツのFIS承認シャンツェの中でも割と古い部類に入るようです。 この大会には日本人選手はエントリーしていません。

●1月29日 ラウシャ 個人第18戦 ノーマルヒル HS102/K92
 優勝したのはロベルト・クラニェチ(SLO)。 101.5mと99.5mを飛び、高い飛型点でポイントを稼ぎました。 2位はカレ・ケイトゥリ(FIN)、3位はチェ・フンチュル(KOR)でした。

●1月30日 ラウシャ 個人第19戦 ノーマルヒル HS102/K92
 雪が降る生憎の天候の二日目。 優勝したのは104.0mと99.5mを飛んだトマス・ロベン(NOR)でした。 2位はクリスチャン・ブルーダー(AUT)、3位はカレ・ケイトゥリ(FIN)でした。


■FISワールドカップスキージャンプ ノイシュタット大会■2005年1月25日
 バートミッテルンドルフのフライングヒルの後は、ドイツのティティゼー・ノイシュタットでラージヒル2連戦。 ラージヒルとしては大きな部類に入るノイシュタットで試合が組まれる背景には、フライングヒルとジャンプの感覚が極端に変わらないようにするという配慮があったかもしれません。 日本勢では右足首捻挫のために帰国した葛西紀明(土屋ホーム)が出場しませんでしたが、それ以外のメンバーはバートミッテルンドルフに引き続きエントリーしています。

●1月22日 ティティゼー・ノイシュタット 個人第16戦 ラージヒル HS142/K125 [リザルト]
 この日は天候曇り、気温-0.1〜-1.0℃、雪温-0.8℃、風速0.1〜2.0m/s。 前日に予定されていた予選は悪天候のためキャンセルされ本戦が始まる直前に順延されたものの、それもキャンセルされたため、エントリーした64名の選手全員が本戦に出場しました、。 優勝したのはヤンネ・アホネン(FIN)。 1stラウンドでは142.0mで2位、2ndラウンドも落ち着いたジャンプで138.0mまで飛距離を伸ばして、今季12勝目です。 2位はヤクブ・ヤンダ(CZE)、3位は1stラウンドでトップに立っていたトマス・モルゲンシュテルン(AUT)でした。
 日本勢は伊東大貴(土屋ホーム)が128.5mと132.5mを飛んで13位に入ったのが最高。 公式練習でトップに立った岡部孝信(チーム雪印)は22位、宮平秀治(ミズノ)は28位でした。 東輝(日本空調サービス)は39位、船木和喜(フィットスキー)は52位で、この両名は2ndラウンドに進むことができませんでした。

●1月23日 ティティゼー・ノイシュタット 個人第17戦 ラージヒル HS142/K125 [リザルト]
 風の条件が不安定だった2日目。 天候は曇り、気温は-0.6〜-1.0℃、雪温-1.7℃、風速は0.2〜2.7m/s。 実力のある選手が風の条件に泣かされて失速するケースが多かったように思います。 優勝したのはヤクブ・ヤンダ(CZE)。 1stラウンドで134.0mを飛んでトップに立ち、2ndラウンドも134.0mで着地も決めて完勝。 ワールドカップ、コンチネンタルカップ、サマーグランプリを通じて彼自身初めての優勝となります。 2位はアダム・マリシュ(POL)、3位はリスト・ユシライネン(FIN)でした。 ここまで圧倒的な強さを誇っているヤンネ・アホネン(FIN)は7位に終わりました。
 日本勢はこの日も前日と似たような展開。 伊東大貴(土屋ホーム)が121.5mと134.5mを飛んで9位に入ったのが最高で、岡部孝信(チーム雪印)が14位。 宮平秀治(ミズノ)は33位、東輝(日本空調サービス)は47位でした。 船木和喜(フィットスキー)は予選を通過することができませんでした。

 個人17戦までを終えて、総合成績はヤンネ・アホネン(FIN)(1396)がトップ、2位はヤクブ・ヤンダ(CZE)(926)、3位はマルティン・ヘルヴァルト(AUT)(856)です。 日本勢は伊東大貴(土屋ホーム)(422)が10位、葛西紀明(土屋ホーム)(326)が12位で、この二人はシード権を確保。 2戦とも健闘した岡部孝信(チーム雪印)は44位に上がってきています。 国別成績ではオーストリア(3103)がトップ、2位はフィンランド(2648)。 日本(1097)は変わらず5位ですが、6位にチェコ(1088)が追い上げてきています。

 次のワールドカップはポーランドのザコパネでラージヒル個人戦を2戦行います。 日本勢は25日に全員が帰国し、ザコパネ大会にはエントリーしない模様です。([ワールドカップジャンプ全日程]


■FISコンチネンタルカップスキージャンプ ビショフスホーフェン大会■2005年1月25日
 今やワールドカップと変わらぬ過密スケジュールが組まれるようになったコンチネンタルカップ。 先週に日本ラウンドを行ってからまたヨーロッパへ戻り、オーストリアのビショフスホーフェンで個人戦を2戦行いました。 この大会には残念ながら日本勢は参加していません。

●1月22日 ビショフスホーフェン 個人第16戦 ラージヒル HS140/K125
 優勝したのは131.5mと132.0mを飛んだヤンネ・ハッポネン(FIN)。 1stラウンド4位からの逆転優勝でした。 2位は1stラウンドでトップに立っていたバルタザール・シュナイダー(AUT)、3位はアントニン・ハジェク(CZE)でした。

●1月23日 ビショフスホーフェン 個人第17戦 ラージヒル HS140/K125
 この日は前日優勝を逃したバルタザール・シュナイダー(AUT)が雪辱を晴らし、138.0mのジャンプを2本揃えて優勝。 2位はフロリアン・リーグル(AUT)、3位はローランド・ミューラー(AUT)と、オーストリア勢が表彰台を独占しました。


■FISワールドカップスキージャンプ バートミッテルンドルフ大会■2005年1月17日
 今シーズン初めてのフライングヒルの大会です。 オーストリアのバートミッテルンドルフにあるクルムのシャンツェを使っての個人戦2連戦。 ここまで個人戦13戦中11勝を挙げているヤンネ・アホネン(FIN)がフライングヒルでどのようなジャンプを見せるか楽しみだったのですが、そのアホネンがこの大会は欠場、焦点は個人総合成績2位以下の選手達の激しいポイント争いとなりました。

●1月15日 バートミッテルンドルフ 個人第14戦 フライングヒル HS200/K185 [リザルト]
 一日目の天候は晴れ、気温-4.0〜-5.4℃、雪温-8.0〜-9.0℃、風速0.3〜1.5m/sとまずまずの条件。 優勝したのはアンドレアス・ヴィドヘルツル(AUT)でした。 1stラウンドで197.5mを飛んで2位につけ、2ndラウンドではこの日の最長不倒距離となる206.5mを飛んで逆転優勝しました。 2位はロアー・ヨケルソイ(NOR)、3位はアダム・マリシュ(POL)でした。
 日本勢は公式練習で205.0mを飛んでいた伊東大貴(土屋ホーム)が180.0mと190.5mで19位に食い込んだのが最高順位。 宮平秀治(ミズノ)は29位、船木和喜(フィットスキー)が31位、葛西紀明(土屋ホーム)が34位、東輝(日本空調サービス)が37位と奮いませんでした。

●1月16日 バートミッテルンドルフ 個人第15戦 フライングヒル HS200/K185 [リザルト]
 二日目は前日よりも少し冷え込んで、天候晴れ、気温-5.5〜-7.1℃、雪温-10.0〜-11.0℃、風速0.1〜1.2m/sという条件。 優勝はアダム・マリシュ(POL)でした。 1stラウンドで207.0mを飛んで2位につけ、2ndラウンドでは最長不倒距離となる209.5mで逆転。 前日に勝てなかった借りをそのまま返すような展開でした。 2位はアンドレアス・ヴィドヘルツル(AUT)、3位はリスト・ユシライネン(FIN)でした。
 日本勢は伊東大貴(土屋ホーム)が195.0mと203.5mを飛ぶ健闘で6位に入賞しましたが、その他の選手はやはり今ひとつ成績が伸びません。 葛西紀明(土屋ホーム)がかろうじて2ndラウンドに進んで22位に入りましたが、船木和喜(フィットスキー)は33位タイ、宮平秀治(ミズノ)は35位、東輝(日本空調サービス)は40位となり。この3名は2ndラウンドに進むことができませんでした。

 今大会を終えて個人総合成績は、トップが依然としてヤンネ・アホネン(FIN)(1260)、2位はマルティン・ヘルヴァルト(AUT)(756)、3位はヤクブ・ヤンダ(CZE)(746)です。 日本勢は伊東大貴(土屋ホーム)(373)が10位、葛西紀明(土屋ホーム)(326)が12位に入っています。 国別成績はトップがオーストリア(2758)、2位はフィンランド(2379)、3位はドイツ(1675)です。 日本(1018)は5位で順位に変動はありません。

 次のワールドカップは1月22日〜23日、ドイツのティティゼー・ノイシュタットのラージヒル(HS142/K120)で個人戦を2戦行います。 場所がドイツで、しかもラージヒルとしてはかなり大きな部類に入るシャンツェですから、選手達はフライングヒルと同じように「飛ばせすぎなゲート設定」と戦うことになるかもしれません。 ハードな試合がまだまだ続きます。 ([ワールドカップジャンプ全日程]


■国内公式戦(12月〜1月前半)■2005年1月17日
 かなり遅くなってしまいましたが、国内で行われた公式戦の結果を簡単に振り返ってみます。 12月上旬の開幕戦から1月中旬の札幌3連戦までをまとめてみました。

●12月12日 第20回吉田杯ジャンプ大会兼第35回名寄ピヤシリジャンプ大会
兼第42回北海道新聞社ジャンプ大会
名寄ピヤシリシャンツェ ノーマルヒル HS100/K90

 12月11日に予定されていた名寄ピヤシリジャンプ大会が悪天候のためこの日に順延され、吉田杯ジャンプ大会と兼ねて行われました。 成年の部の優勝は渡瀬雄太(チーム雪印)。 93.5mと90.0mを飛んで逃げ切りました。 2位は原田雅彦(チーム雪印)、3位は岡村創太(チーム雪印)と、上位を雪印勢が独占しました。
 少年の部はフィンランドにジャンプ留学をしている期待の若手、竹内択(飯山市スキークラブ)が88.5mと86.0mを飛んで優勝、女子の部は山田いずみ(ロイズ)が87.0mと92.5mを見せて圧勝しました。

●1月8日 第46回雪印杯全日本ジャンプ大会
宮の森ジャンプ競技場 ノーマルヒル HS98/K90

 年明け最初の大会はお馴染み雪印杯。 悪天候のため1stラウンドのみで競技が打ち切られました。 成年組の優勝は93.0mを飛んだ岡村創太(チーム雪印)。 2位は湯本史寿(東京美装)、3位は重松健太郎(東京美装)でした。
 少年の部の優勝は91.0mを飛んだ竹内択(飯山市スキークラブ)、ジュニアの優勝は82.0mの栃本翔平(札幌藤野中)、女子組の優勝は88.5mの山田いずみ(ロイズ)でした。

●1月10日 第47回HBCカップジャンプ競技会
大倉山ジャンプ競技場 ラージヒル HS134/K120

 昨年に引き続き、独自のノックアウト方式で行われたHBC杯。 優勝は決勝で133.5mを飛んだ重松健太郎(東京美装)、2位は湯本史寿(東京美装)、3位は遠藤悠介(日体大)、4位は柴田康宏(東京美装)でした。

●1月14日 第33回札幌オリンピック記念国際スキージャンプ競技大会
兼FISコンチネンタルカップスキージャンプ 個人第13戦
宮の森ジャンプ競技場 ノーマルヒル HS98/K90

 コンチネンタルカップを兼ねた国際大会3連戦の緒戦です。 優勝は94.5mと90.5mを飛んだ一戸剛(アインズ)。 2位はユッシ・ハウタマキ(FIN)、3位は坂野幸夫(チーム雪印)でした。
 コンチネンタルカップにエントリーしたその他の日本勢は、吉岡和也(土屋ホーム)が4位と健闘、金子祐介(東京美装)が9位、山田大起(北野建設)が14位、原田雅彦(チーム雪印)が21位タイでした。(

●1月15日 第32回HTBカップ国際スキージャンプ競技大会
兼FISコンチネンタルカップスキージャンプ 個人第14戦
大倉山ジャンプ競技場 ラージヒル HS134/K120

 舞台を大倉山に移して行われたHTB杯、優勝は前日に続いて一戸剛(アインズ)でした。 133.0mと132.0mを飛んだ安定感でコンチネンタルカップ2連勝です。 2位はバルタザール・シュナイダー(AUT)、3位はアンデルス・バルダル(NOR)でした。
 コンチネンタルカップにエントリーしたその他の日本勢は、坂野幸夫(チーム雪印)が5位に入賞、吉岡和也(土屋ホーム)が7位、金子祐介(東京美装)が10位、山田大起(北野建設)が11位、岡村創太(チーム雪印)が13位、湯本史寿(東京美装)が17位、柴田康宏(東京美装)が17位、竹内択(飯山市スキークラブ)が28位、原田雅彦(チーム雪印)が30位、重松健太郎(東京美装)が31位、遠藤悠介(日体大)が35位、上野真吾(NTT東日本北海道)が39位、遠藤友晃(小樽北照高)と渡瀬雄太(チーム雪印)が40位、桜井一欽(明治大)が42位でした。

●1月16日 第44回STVカップ国際スキージャンプ競技大会
兼FISコンチネンタルカップスキージャンプ 個人第15戦
大倉山ジャンプ競技場 ラージヒル HS134/K120

 3連戦の最終戦となるSTV杯。 一戸剛(アインズ)の3連勝がかかる試合でしたが、フィンランド勢にそれを阻まれました。 優勝は130.0mと124.0mを飛んだキンモ・イリリエスト(FIN)、2位はイリリエストにわずか0.1ポイント及ばなかったユッシ・ハウタマキ(FIN)、3位はアンデルス・バルダル(NOR)でした。 一戸は5位入賞にとどまりました。 また山田大起(北野建設)が健闘して6位に入賞しています。
 コンチネンタルカップにエントリーしたその他の日本勢は、金子祐介(東京美装)が9位、坂野幸夫(チーム雪印)が11位、湯本史寿(東京美装)が12位、遠藤悠介(日体大)が18位、吉岡和也(土屋ホーム)が19位、原田雅彦(チーム雪印)が23位、櫻井一欽(明治大)が25位、柴田康宏(東京美装)が29位、西森享平(丸善食品工業)が31位、岡村創太(チーム雪印)が32位、重松健太郎(東京美装)が33位、竹内択(飯山市スキークラブ)が35位、上野真吾(NTT東日本北海道)が37位、遠藤友晃(小樽北照高)が41位、渡瀬雄太(チーム雪印)が48位でした。



■FISワールドカップスキージャンプ ヴィリンゲン大会■2005年1月10日
 例年ですとジャンプ週間直後のワールドカップはシーズン半ばの休暇に入る選手達が増えるのですが、今年は注目度も賞金額も高いヴィリンゲンでの大会なので、プロとして活動している選手達はおいそれと休みを入れるわけにいきません。 ジャンプ週間に参加した有力選手はこの大会にもこぞって参戦しています。 今シーズン初の団体戦と個人戦が1戦ずつ行われました。

●1月8日 ヴィリンゲン 団体第1戦 ラージヒル HS145/K130 [リザルト]
 気温3.7℃、雪温-0.5℃、風速は最大4.6m/sと、特に風の条件が悪かったこの日。 今季初の団体戦は1stラウンドのみで打ち切られました。 優勝したのはドイツ(メヒラー/ウアマン/ヘル/シュペート)。 ヘルが転倒したものの148.0m、シュペートが147.0mを飛んで(風の条件も良かった模様)トップに立ち、そのまま優勝を決めました。 2位はフィンランド(M.ハウタマキ/ユシライネン/キウル/アホネン)、3位はオーストリア(ヴィドヘルツル/ロイツル/モルゲンシュテルン/ヘルヴァルト)でした。 日本は 伊東/宮平/東/葛西 の布陣で臨みましたが、伊東が138.0mを飛んだ他は風の条件が悪かったためか精彩を欠き、5位に終わりました。

●1月9日 ヴィリンゲン 個人第13戦 ラージヒル HS137/K125 [リザルト]
 ヴィリンゲンはいつからこんなに風の条件が不安定な台になったのか、と思えるほど最近のここでの大会は風が安定しません。 この日行われた個人戦も風の条件が選手によって大きく変わっていたようで、記録では最大風速3.1m/sとなっていますが、その数字以上に難しい条件だったようです。
 優勝したのはヤンネ・アホネン(FIN)。 1stラウンドでは135.0mで6位と出遅れましたが、2ndラウンドではこの台のヒルレコード更新となる152.0mを飛んで逆転勝利を収めました。 2位はマルティン・ヘルヴァルト(AUT)、3位はアンドレアス・キュッテル(SUI)でした。
 日本勢は伊東大貴(土屋ホーム)が1stラウンドで139.0mを飛んでトップに立ちましたが、2ndラウンドで飛距離を伸ばせず132.5mに終わり、6位に順位を下げてしまいました。 以下、葛西紀明(土屋ホーム)が2ndラウンドで135.0mを飛んで13位に食い込んだ他は、まったく元気がありません。 船木和喜(フィットスキー)が35位、宮平秀治(ミズノ)が38位、吉岡和也(土屋ホーム)が41位、東輝(日本空調サービス)が42位と、この4名は2ndラウンドに進むことができませんでした。

 個人第13戦までを終えて個人総合成績は、ヤンネ・アホネン(FIN)(1260)がトップ、2位はマルティン・ヘルヴァルト(AUT)(717)、3位はヤクブ・ヤンダ(CZE)(672)と、上位3名の順位の変動はありません。 日本勢は伊東大貴(土屋ホーム)(321)が11位、葛西紀明(土屋ホーム)(317)が12位で、依然として予選免除のシード権を確保しています。 国別成績はオーストリア(2379)がトップ、2位はフィンランド(2181)で、3位には団体戦を制したドイツ(1562)が上がってきました。 日本(955)は5位ですが、4位のノルウェー(1260)とはだいぶ大きな差があります。

 次のワールドカップは再びオーストリアに舞台を移し、1月15日〜16日にバートミッテルンドルフでフライングヒル(HS200/K185)の個人戦を2戦行います。 更にその次週にはドイツのノイシュタットでHS142の大きなラージヒルが控えており、大きなシャンツェの試合が続くハードなスケジュールになっています。 ジャンプ週間で身体的・精神的に疲労している選手も相当多いでしょうから、この先いかに集中力を維持しながら試合に臨むか、いかに怪我をせずにジャンプをするかが、シーズン通して良い成績を残そうとする選手にとっては重要なファクターとなりそうです。 ([ワールドカップジャンプ全日程]


■FISコンチネンタルカップスキージャンプ プラニツァ大会■2005年1月10日
 ワールドカップではフライングヒルで有名なスロヴェニアのプラニツァで、ノーマルヒル個人戦が2戦行われました。 ここのノーマルヒルは1994年のワールドカップ開幕戦で船木和喜が、海外のW杯初参加で初優勝を遂げたシャンツェでもあります。

●1月8日 プラニツァ 個人第11戦 ノーマルヒル HS100/K90
 優勝したのはアンデルス・バルダル(NOR)。 101.0mと101.5mを飛ぶ安定したジャンプで逃げ切りました。 2位は102.0mと98.5mを飛んだ岡部孝信(チーム雪印)、3位はユーレ・ボガタイ(SLO)でした。 岡部以外の日本勢は、金子祐介(東京美装)が12位、原田雅彦(チーム雪印)が13位タイ、一戸剛(アインズ)が29位、坂野幸夫(チーム雪印)が35位、渡瀬雄太(チーム雪印)が43位タイでした。

●1月9日 プラニツァ 個人第12戦 ノーマルヒル HS100/K90
 この日の優勝もアンデルス・バルダル(NOR)。 飛距離は102.0mと102.5mで、プラニツァでの安定感が際立っています。 2位は前日と同じく岡部孝信(チーム雪印)。 100.0mと101.0mを飛びましたが、バルダルにわずか0.2ポイント及びませんでした。 3位はマヌエル・フェットナー(AUT)でした。 岡部以外の日本勢は、一戸剛(アインズ)が14位、原田雅彦(チーム雪印)が19位、渡瀬雄太(チーム雪印)が33位タイ、坂野幸夫(チーム雪印)が40位、金子祐介(東京美装)が44位でした。


■FISワールドカップスキージャンプ ビショフスホーフェン大会■2005年1月7日
 ジャンプ週間の最終戦はビショフスホーフェンのラージヒル。 HS140/K125のこのシャンツェは、インラン(助走路)の傾斜が緩い上にカンテの長さが極端に長い独特のプロフィールを持っており、ワールドカップで使用されるシャンツェの中でも最も難易度の高い部類の台だと言われています。 このシャンツェで行われるワールドカップでは、これまで日本人選手の優勝経験はありません。 ここまでジャンプ週間3連勝と手の付けられない強さを発揮しているヤンネ・アホネン(FIN)が、ジャンプ週間完全制覇なるか、アホネンの独走を食い止める選手が出るとすればそれは誰なのか、シーズン後半の展開を占う上でも大変重要なポイントとなる試合でした。

●1月6日 ビショフスホーフェン 個人第12戦 ラージヒル HS140/K125 [リザルト]
 この日の天候は曇りから雨、雨から霧にと大きく変化しました。 気温は2.0℃、雪温は-2.5〜-3.4℃、風速は0.1〜1.3m/s、ここまで3戦と同じく気温が高めで、霧によって視界が悪くなることもあったようです。 この試合、優勝したのはマルティン・ヘルヴァルト(AUT)。 1stラウンドで135.0mを飛んでトップに立つと、2ndラウンドも137.5mまで飛距離を伸ばして、今季初優勝を遂げました。 2位は2ndラウンドで140.5mを飛んで追い上げたヤンネ・アホネン(FIN)。 ジャンプ週間完全制覇とワールドカップ最多連勝記録がかかった試合でしたが、残念ながら達成はなりませんでした。 3位は伊東大貴(土屋ホーム)。 1stラウンドは127.0mで9位でしたが、2ndラウンドでビショフスホーフェンのヒルレコードとなる143.0mを飛んで一気に順位を上げ、彼自身初めてのワールドカップの表彰台となりました。
 その他の日本勢は、葛西紀明(土屋ホーム)が128.5mと129.5mで10位、吉岡和也(土屋ホーム)が28位、東輝(日本空調サービス)が29位でした。 宮平秀治(ミズノ)は38位で2ndラウンドに進めず、船木和喜(フィットスキー)は予選を通過することができませんでした。

 これで今シーズンのジャンプ週間は全日程を終えました。4試合の総合成績は以下の通りです。
 1. Jannne Ahonen (FIN)         1043.3
 2. Martin Hoellwarth (AUT)      994.2
 3. Thomas Morgenstern (AUT)     985.5
 4. Adam Malysz (POL)            985.3
 5. Jakub Janda (CZE)            972.8
 6. Roar Ljoekelsoey (NOR)       969.7
 7. 伊東大貴 (土屋ホーム)        962.7
 8. Michael Uhrmann (GER)        939.0
 9. Georg Spaeth (GER)           928.5
10. Matti Hautamaeki (FIN)       922.2
11. 葛西紀明 (土屋ホーム)        907.1
21. 東輝 (日本空調サービス)      699.7
39. 宮平秀治 (ミズノ)            368.1
40. 吉岡和也 (土屋ホーム)        367.9
52. 船木和喜 (フィットスキー)    172.8

 ワールドカップの個人総合成績は、ヤンネ・アホネン(FIN)(1160)がトップ、2位はマルティン・ヘルヴァルト(AUT)(637)、3位はヤクブ・ヤンダ(CZE)(627)。 日本勢は葛西紀明(土屋ホーム)(297)が10位、伊東大貴(土屋ホーム)(281)が順位を上げて11位となり、予選免除のシード権を確保しています。 国別成績ではオーストリア(1939)がトップ、2位はフィンランド(1719)、日本(695)は5位です。

 選手達は休む間もなくドイツのヴィリンゲンに移動して、次の試合に備えます。 1月8日はラージヒル団体戦、同9日はラージヒル個人戦が予定されています。 ([ワールドカップジャンプ全日程]


■FISワールドカップスキージャンプ インスブルック大会■2005年1月4日
 ジャンプ週間の3戦目は、オーストリアのインスブルックで行われるラージヒル。 個人総合成績ではここまでヤンネ・アホネン(FIN)が圧倒的な強さを見せていますが、国別成績では地元オーストリアが僅差でフィンランドをかわしトップを走っている状況。 オーストリア勢の奮起がアホネンの進撃を止められるか、インスブルックの台と相性がよい船木和喜(フィットスキー)や葛西紀明(土屋ホーム)がどこまで成績を伸ばせるか、注目すべき点の多い試合です。

●1月4日 インスブルック 個人第11戦 ラージヒル HS130/K120 [リザルト]
 この日の天候は曇り、気温1.0〜1.2℃、雪温-1.9〜-2.0℃、風速は0.1〜2.2m/s。 ガルミッシュ・パルテンキルヘン大会のように暖かい天気になり、風の条件もかなり不安定な日だったようです。 優勝したのはやはりヤンネ・アホネン(FIN)。 1stラウンドで最長不倒距離となる128.5mを飛んでトップに立つと、各選手飛距離が伸び悩む2ndラウンドでは手堅く120.0mにまとめて今季10勝目を挙げました。 2位はだんだん調子が上がってきたアダム・マリシュ(POL)、3位はヤクブ・ヤンダ(CZE)でした。
 日本勢は東輝(日本空調サービス)が健闘、113.0mと122.5mを飛んで9位に食い込みました。 これは東の今季最高成績です。 以下、好調な伊東大貴(土屋ホーム)は11位、葛西紀明(土屋ホーム)は20位、宮平秀治(ミズノ)は29位、船木和喜(フィットスキー)は30位でした。 吉岡和也(土屋ホーム)は予選を通過することができませんでした。

 第11戦までを終えて、個人総合成績トップはヤンネ・アホネン(FIN)(1080)、2位はヤクブ・ヤンダ(CZE)(577)、3位はマルティン・ヘルヴァルト(AUT)(537)です。 日本勢は葛西紀明(土屋ホーム)(271)が10位、伊東大貴(土屋ホーム)(221)が13位で、両者ともシード権を確保。 この試合で9位に入った東輝(日本空調サービス)(39)は34位タイに順位を上げてきています。 国別成績はオーストリア(1734)がトップ、2位は少し離されてフィンランド(1617)、3位はノルウェー(1116)。 日本(604)は5位をキープしています。
 次の試合は1月6日、ジャンプ週間の最終戦がオーストリアのビショフスホーフェンで行われます。 世界で最も難易度の高いラージヒルといわれるこのシャンツェで、史上2人目のジャンプ週間完全制覇をアホネンが達成できるかどうかが最大のポイントとなります。 ([ワールドカップジャンプ全日程]


■FISワールドカップスキージャンプ ガルミッシュ・パルテンキルヘン大会■2005年1月2日
 ジャンプ週間第2戦はドイツのガルミッシュ・パルテンキルヘン、HS125のラージヒルです。 欧米でよく見られるタワー型のシャンツェで比較的クセのあるプロフィールらしく、選手ごとで得手不得手がハッキリ別れる傾向にあるような感じです。

●1月1日 ガルミッシュ・パルテンキルヘン 個人第10戦 ラージヒル HS125/K115 [リザルト]
 この日の天候は曇り、気温3.5〜4.5℃、雪温-0.3℃、風速0.1〜1.2m/sと、この時期にしてはかなり温暖な条件です。 転倒やゲートの変更もなく、競技はスムーズに進行しました。 優勝したのはヤンネ・アホネン(FIN)。 124.0mと128.0mを飛んで圧倒的な強さを見せました。 2本のジャンプともランディングが入っていなかったようで、飛型点が案外悪いのが気にかかります。 2位はトマス・モルゲンシュテルン(AUT)、3位はゲオルグ・シュペート(GER)でした。
 日本勢は伊東大貴(土屋ホーム)が115.0mと114.5mを飛んで10位になったのが最高。 葛西紀明(土屋ホーム)は2ndラウンドで117.0mを飛んで15位に食い込みました。 以下、東輝(日本空調サービス)は21位、宮平秀治(ミズノ)は31位に終わりました。 船木和喜(フィットスキー)と吉岡和也(土屋ホーム)は予選を通過することができませんでした。

 第10戦まで終えて、個人総合成績トップは文句なしにヤンネ・アホネン(FIN)(980)。 ここまで優勝9回、2位が1回となれば、敵う選手が他にいようはずがありませんね(笑)。 2位はヤクブ・ヤンダ(CZE)(517)、3位はロアー・ヨケルソイ(NOR)(495)です。 日本勢は葛西紀明(土屋ホーム)(260)が10位、伊東大貴(土屋ホーム)(197)が13位タイでシード権を確保しています。 国別成績ではオーストリア(1577)がトップ、2位はフィンランド(1498)、日本(537)は5位と、順位に変動はありません。
 次の試合はジャンプ週間第3戦、1月3日にオーストリアのインスブルックでHS130のラージヒル個人戦が予定されています。 ([ワールドカップジャンプ全日程]


■FISコンチネンタルカップスキージャンプ ゼーフェルト大会■2005年1月2日
 コンチネンタルカップ2005年最初の試合は、オーストリアのゼーフェルトでノーマルヒル個人戦です。 ワールドカップ昇格を狙う各選手の熾烈な争いが繰り広げられます。

●1月1日 ゼーフェルト 個人第10戦 ノーマルヒル HS100/K90
 優勝したのはディミトリ・イパトフ(RUS)。 99.5mと97.5mを飛んで完勝しました。 2位はラインハルト・シュヴァルツェンベルガー(AUT)、3位はマヌエル・フェットナー(AUT)でした。 日本勢は金子祐介(東京美装)が93.5mと91.0mを飛んで6位に入賞、岡部孝信(チーム雪印)は9位、一戸剛(アインズ)は18位タイ、原田雅彦(チーム雪印)は22位、渡瀬雄太(チーム雪印)は31位、坂野幸夫(チーム雪印)は45位でした。


■FISワールドカップスキージャンプ オーベルシュトドルフ大会■2004年12月31日
 シーズン最大のスキージャンプイベント、ジャンプ週間(4Schanzentournee)の開幕です。 オーベルシュトドルフ(ドイツ)、ガルミッシュ・パルテンキルヘン(ドイツ)、インスブルック(オーストリア)、ビショフスホーフェン(オーストリア)の4カ所を転戦して、ワールドカップポイントとは別に総合成績の順位を競います。 このジャンプ週間では、1stラウンドに出場する50人の選手を2人ずつのペアに分けて、そのペアで勝った方が2ndラウンドに進むという「KO方式」をとります。 いつものワールドカップとは全く異なる雰囲気で行われる4試合になりますので、選手達の意気込みや緊張感も格別のものがありますね。

●12月29日 オーベルシュトドルフ 個人第9戦 ラージヒル HS137/K120 [リザルト]
 この日の天候は曇り、気温-2.4〜-3.0℃、雪温-0.1〜-0.2℃、風速0.1〜2.0m/sと、数字の上ではまずまずの条件。 1stラウンドでトップに立ったのは、127.0mを飛んで相手のアダム・マリシュ(POL)を下したヤンネ・アホネン(FIN)。 2位は125.0mでアンドレアス・ゴルトベルガー(AUT)を下した伊東大貴(土屋ホーム)、3位はアホネンに破れましたがラッキールーザーとして2ndラウンド進出を決めたアダム・マリシュでした。
 2ndラウンドは1stラウンドのポイント順でいつもの真剣勝負。 133.5mを飛んで抜群の安定感を示したヤンネ・アホネンが優勝しました。 2位は2ndラウンドでこの日の最長不倒郷里となる140.0mを飛んだロアー・ヨケルソイ(NOR)、3位はアダム・マリシュでした。
 期待された伊東大貴は2ndラウンドで125.0mを飛びましたが、ポイントでわずかに表彰台に及ばず、4位。 それでも自身ではワールドカップ過去最高の順位です。 以下、葛西紀明(土屋ホーム)は121.0mと123.0mを飛んでなんとか15位に食い込みましたが、吉岡和也(土屋ホーム)は34位、東輝(日本空調サービス)は36位と、この二人は2ndラウンドに進むことが出来ませんでした。

 第9戦までを終えてワールドカップ総合成績は、ヤンネ・アホネン(FIN)(880)がトップ、ヤクブ・ヤンダ(CZE)(477)が2位、ロアー・ヨケルソイ(NOR)(459)が3位です。 葛西紀明(土屋ホーム)(244)は9位、伊東大貴(土屋ホーム)(171)は15位で、この二人は次の試合で予選免除のシード権を確保しました。 国別対抗成績ではトップがオーストリア(1397)ですが、2位のフィンランド(1363)が追い上げを見せて肉薄してきています。 日本(485)は現在5位で、ヤクブ・ヤンダの活躍がめざましいチェコ(477)と5位争いをしている状況です。
 次の試合はジャンプ週間の2戦目、1月1日にドイツのガルミッシュ・パルテンキルヘンでラージヒル個人戦が行われます。 ([ワールドカップジャンプ全日程]


■FISコンチネンタルカップスキージャンプ サンモリッツ/エンゲルベルク大会■2004年12月31日
 コンチネンタルカップは新しい節を迎えて、参加選手の入れ替えもありました。 スイスのサンモリッツとエンゲルベルクを転戦して3連戦を行いました。

●12月26日 サンモリッツ 個人第7戦 ノーマルヒル HS100/K95
 優勝は94.5mと100.0mを飛んだドミトリ・ワシリエフ(RUS)。 ロシアの選手の優勝は久しぶりのような気がします。 2位はエマニュエル・シェダル(FRA)、3位はカミル・ストッホ(POL)でした。 日本勢は岡部孝信(チーム雪印)が89.5mと91.5mを飛んで4位に、坂野幸夫(チーム雪印)が89.0mと92.0mで6位に、それぞれ入賞しました。 以下、渡瀬雄太(チーム雪印)が12位タイ、原田雅彦(チーム雪印)が17位、金子祐介(東京美装)が25位でした。

●12月27日 エンゲルベルク 個人第8戦 ラージヒル HS137/K125
 この日の優勝は129.5mと131.5mを飛んだユーレ・ボガタイ(SLO)。 2位はマティアス・ハーフェレ(AUT)、3位はエマニュエル・シェダル(FRA)でした。 日本勢は坂野幸夫(チーム雪印)が122.0mと123.0mで9位、岡部孝信(チーム雪印)が11位タイ、金子祐介(東京美装)が15位、一戸剛(アインズ)が16位、原田雅彦(チーム雪印)が46位でした。 渡瀬雄太(チーム雪印)は失格となっています。

●12月28日 エンゲルベルク 個人第9戦 ラージヒル HS137/K125
 天候不良か1stラウンドのみで終了してしまった第9戦。 優勝は118.0mを飛んだパヴェル・ウアバンスキ(POL)でした。 2位はエリク・シモン(GER)、3位はルカ・ヴォランテン(SUI)でした。 日本勢は金子祐介(東京美装)が12位、岡部孝信(チーム雪印)が25位、一戸剛(アインズ)が35位、渡瀬雄太(チーム雪印)が46位、原田雅彦(チーム雪印)が47位、坂野幸夫(チーム雪印)が52位でした。


■FISワールドカップスキージャンプ エンゲルベルク大会■2004年12月20日
 2004-2005シーズンの第2ピリオド最後の大会はスイスのエンゲルベルクで。 独特のシャンツェプロフィールゆえに、選手によって好き嫌いがハッキリ別れる台です。 年末年始のジャンプ週間を目前に控えて、総合ポイント争いも白熱してきました。

●12月18日 エンゲルベルク 個人第7戦 ラージヒル HS137/K125 [リザルト]
 この日の天候は雪。 気温1.5℃、雪温-1.0℃、風速は0.3〜2.2m/s。 雪の影響で公式練習や予選から苦労した選手が多かったようですが、成績上位の選手達にとってはその程度の影響は苦にならないのかもしれません。 優勝は141.0mと137.5mを飛んだヤンネ・アホネン(FIN)。 相変わらずの強さに加え、安定感にも磨きがかかってきたような印象です。 2位は2ndラウンドで137.5mを飛んで追い上げたトマス・モルゲンシュテルン(AUT)、3位は1stラウンドでトップに立っていたヤクブ・ヤンダ(CZE)でした。
 日本勢は予選から伊東大貴(土屋ホーム)が好調。 決勝でも131.0mと134.0mを飛んで、彼自身のワールドカップ最高順位タイ記録である9位に入りました。 葛西紀明(土屋ホーム)は伊東に次いで10位でした。 船木和喜(フィットスキー)は35位、宮平秀治(ミズノ)は37位、山田大起(北野建設)は39位、東輝(日本空調サービス)は49位タイに終わりました。

●12月19日 エンゲルベルク 個人第8戦 ラージヒル HS137/K125 [リザルト]
 暖かい気温は雪を雨に変えてしまいました。 この日の決勝は終始雨降り、雪温は-0.4℃、風速は0.2〜2.0m/s。 カンテスピードを上げても飛距離が伸びず、選手達は相当苦労していたようです。 優勝はこの日もヤンネ・アホネン(FIN)。 134.0mと135.0mを飛んで、抜群の安定感で今季7勝目です。 2位は1stラウンドでトップに立っていたヤクブ・ヤンダ(CZE)。 この日も優勝には手が届きませんでした。 3位はマルティン・ヘルヴァルト(AUT)が入りました。
 日本選手は、雨の条件に祟られたのかどの選手も低調な記録で終始しました。 最高順位は宮平秀治(ミズノ)の19位。 以下、伊東大貴(土屋ホーム)が24位、葛西紀明(土屋ホーム)が25位、山田大起(北野建設)が43位、東輝(日本空調サービス)は50位でした。 東は2日間続けての最下位。 エンゲルベルクの台が苦手だったのかもしれませんね。

 8戦までを終えて、個人総合成績のトップはヤンネ・アホネン(FIN)(780)がひた走ります。 2位はこのところ絶好調なヤクブ・ヤンダ(CZE)(448)、3位はマルティン・ヘルヴァルト(AUT)(397)です。 日本勢は葛西紀明(土屋ホーム)(228)が9位、伊東大貴(土屋ホーム)(121)が16位、宮平秀治(ミズノ)(66)が21位、船木和喜(フィットスキー)(4)が45位となっています。 国別対抗成績ではトップがオーストリア(1315)、日本(419)はチェコに抜かれて6位に後退しています。

 ワールドカップは次の試合からいよいよ年末年始恒例のジャンプ週間を迎えます。 ここまでほぼ無敵の強さを誇っているアホネンに対して、他の選手がどれだけ食い下がれるかという展開になるでしょうか。 コンチネンタルカップからの昇格でメンバーも一部替わるでしょうから、良い意味で波乱が起こることも期待したいところです。 ([ワールドカップジャンプ全日程]


■FISコンチネンタルカップスキージャンプ ハラホフ大会■2004年12月20日
 前の週にワールドカップが開催されたチェコのハラホフで、この週はコンチネンタルカップです。 シャンツェ改修で裾野が広がったラージヒル、コンチネンタルカップといえども実力者揃いの大会ですから、大きなジャンプがたくさん出たようです。

●12月17日 ハラホフ 個人第5戦 ラージヒル HS142/K125
 この日優勝したのはマルティン・コッホ(AUT)。 1stラウンドでは特大の151.0mを飛んでダントツのトップに立ち、2ndラウンドも135.5mと飛距離を伸ばして逃げ切りました。 2位は2ndラウンドに146.0mを飛んで追い上げたローランド・ミューラー(AUT)、3位はヤン・マゾホ(CZE)でした。
 日本勢は吉岡和也(土屋ホーム)が136.5mと133.5mを飛んで4位に入賞。 以下、岡部孝信(チーム雪印)が12位、一戸剛(アインズ)が14位、坂野幸夫(チーム雪印)が20位、金子祐介(東京美装)と桜井一欽(明治大)が並んで39位タイ、西森享平(丸善食品工業)が47位でした。

●12月19日 ハラホフ 個人第6戦 ラージヒル HS142/K125
 ハラホフ大会2日目、優勝したのは139.0mと136.5mを飛んだローランド・ミューラー(AUT)でした。 2位はヤン・マゾホ(CZE)、3位はマルティン・コッホ(AUT)でした。 オーストリア勢の安定感が目につきます。
 日本勢は坂野幸夫(チーム雪印)が9位に入ったのが最高、一戸剛(アインズ)は10位、吉岡和也(チーム雪印)は12位、岡部孝信(チーム雪印)は18位、金子祐介(東京美装)が23位、西森享平(丸善食品工業)が35位、桜井一欽(明治大)が37位タイでした。


■FISコンチネンタルカップスキージャンプ ラハティ大会■2004年12月20日
 ワールドカップより遅く開幕したコンチネンタルカップですが、少々過密なスケジュールで序盤戦が展開します。 ロヴァニエミ大会が終わってすぐにフィンランドのラハティへ移動して、ラージヒル2連戦が行われました。

●12月8日 ラハティ 個人第3戦 ラージヒル HS130/K116
 強風のため1stラウンドのみで競技が成立したラハティ大会緒戦、優勝したのは128.0mの最長不倒距離を飛んだローランド・ミューラー(AUT)でした。 2位はリスト・ユシライネン(FIN)、3位はシュテファン・トゥルンビヒラー(AUT)でした。
 日本勢では吉岡和也(土屋ホーム)が122.0mを飛んで5位に入賞、一戸剛(アインズ)が120.5mで7位タイ、岡部孝信(チーム雪印)が11位、金子祐介(東京美装)が23位、坂野幸夫(チーム雪印)が27位タイ、西森享平(丸善食品工業)が39位、桜井一欽(明治大)が72位でした。

●12月9日 ラハティ 個人第4戦 ラージヒル HS130/K116
 2日目を制したのは、1stラウンドで最長不倒距離となる132.0mを飛んだマティアス・ハーフェレ(AUT)。 2位はバルタザール・シュナイダー(AUT)、3位はリスト・ユシライネン(FIN)でした。
 日本勢は好調な吉岡和也(土屋ホーム)が前日より順位を上げて4位に入賞、一戸剛(アインズ)も健闘して5位に入賞しました。 以下、岡部孝信(チーム雪印)が13位、坂野幸夫(チーム雪印)が14位タイ、金子祐介(東京美装)が19位、西森享平(丸善食品工業)が40位、桜井一欽(明治大)が70位でした。


■FISワールドカップスキージャンプ ハラホフ大会■2004年12月13日
 ワールドカップはチェコのハラホフに舞台を移しました。 これまでは所謂「旧式の台」という印象が強かったチェコのシャンツェですが、今シーズンからハラホフのシャンツェはプロフィールが変わったらしく、HS142/K125となっています。 ここまで4連勝で迎えたヤンネ・アホネン(FIN)の連勝を食い止める選手が出てくるのか、注目が集まりました。

●12月11日 ハラホフ 個人第5戦 ラージヒル HS142/K125 [リザルト]
 緒戦は天候快晴、気温-0.9〜-2.0℃、雪温-3.4℃、風速は0.1〜1.6m/s。 LiveScoringのデータを見る限りでは風向きや風の強弱で条件の違いが激しい時もあったようですが、競技そのものは滞りなく行われました。 この日優勝したのはアダム・マリシュ(POL)。 1stラウンドで143.0mの最長不倒距離を記録してトップに立つと、2ndラウンドでも136.0mと手堅くまとめて、今季初優勝を飾りました。 2位は5連勝の夢を絶たれてしまったヤンネ・アホネン(FIN)、3位はゲオルグ・シュペート(GER)でした。
 日本勢はトレーニングと予選から伊東大貴(土屋ホーム)が好調で、決勝でも129.5mと140.0mを飛んで10位に入りました。 葛西紀明(土屋ホーム)は安定したジャンプで11位、宮平秀治(ミズノ)が29位でした。 船木和喜(フィットスキー)は37位、山田大起(北野建設)は41位、東輝(日本空調サービス)は48位で、この3名は2ndラウンドに進むことができませんでした。

●12月12日 ハラホフ 個人第6戦 ラージヒル HS142/K125 [リザルト]
 二日目の試合は天候快晴、気温-3.5〜-4.0℃、雪温-7.0℃、風速は0.1〜1.4m/sで、前日よりも風の条件は穏やかだったようです。 この日は前日優勝を逃したヤンネ・アホネン(FIN)が巻き返し、140.0mと141.0mを飛んで優勝しました。 アホネンはこれで今季5勝目です。 2位はロアー・ヨケルソイ(NOR)、3位はヤクブ・ヤンダ(CZE)でした。 今シーズン好調なヤンダは1stラウンドでトップでしたが、2ndラウンドでは力みが出たのか飛距離を伸ばせず、優勝を飾ることはできませんでした。
 日本勢は葛西紀明(土屋ホーム)が136.5mと133.0mを飛んで5位に入賞。 安定感は抜群です。 この日も好調だった伊東大貴(土屋ホーム)は10位、宮平秀治(ミズノ)は30位でした。 東輝(日本空調サービス)は38位タイ、船木和喜(フィットスキー)は42位、山田大起(北野建設)は45位で、この3名はこの日も2ndラウンドに進むことができませんでした。

 6戦を終えて、個人総合成績はトップがヤンネ・アホネン(FIN)(580)、2位がヤクブ・ヤンダ(CZE)(308)、3位はロアー・ヨケルソイ(NOR)(293)です。 日本勢は葛西紀明(196)が9位、伊東大貴(85)が18位、宮平秀治(54)が21位となっています。 国別対抗成績はトップがオーストリア(1002)、日本(339)は5位です。

 次のワールドカップは12月18日〜19日の日程で、スイスのエンゲルベルクでラージヒル個人戦が2戦行われます。 ([ワールドカップジャンプ全日程]


■FISコンチネンタルカップスキージャンプ ロヴァニエミ大会■2004年12月6日
 ワールドカップの一つ格下に当たるコンチネンタルカップが開幕しました。 緒戦はフィンランドのロヴァニエミでノーマルヒル個人戦が2戦行われました。 日本勢は吉岡和也(土屋ホーム)/岡部孝信(チーム雪印)/金子祐介(東京美装)/一戸剛(アインズ)/西森享平(丸善食品工業)/坂野幸夫(チーム雪印)/桜井一欽(明治大)の7名が参加しています。

●12月4日 ロヴァニエミ 個人第1戦 ノーマルヒル HS100/K90
 優勝はバルタザール・シュナイダー(AUT)。 1stラウンドで96.0m、2ndラウンドでは最長不倒距離となる100.5mをマークし、逆転での勝利でした。 2位は1stラウンドでトップに立っていたヤン・マゾホ(CZE)でした。 日本勢は吉岡和也(土屋ホーム)が93.5mと95.0mを飛んで3位、岡部孝信(チーム雪印)が95.5mと92.5mで4位に入賞しました。 以下、一戸剛(アインズ)が10位タイ、金子祐介(東京美装)が14位、西森享平(丸善食品工業)が24位タイ、坂野幸夫(チーム雪印)が42位、桜井一欽(明治大)が74位でした。

●12月5日 ロヴァニエミ 個人第2戦 ノーマルヒル HS100/K90
 この日の優勝もバルタザール・シュナイダー(AUT)。 92.0mと96.0mを飛んで逃げ切りました。 2位はヤン・マゾホ(CZE)、3位はアンドレアス・ヴァンク(GER)でした。 日本勢は吉岡和也(土屋ホーム)が5位、岡部孝信(チーム雪印)が9位、金子祐介(東京美装)が14位、一戸剛(アインズ)が16位、坂野幸夫(チーム雪印)が24位、西森享平(丸善食品工業)が28位、桜井一欽(明治大)が70位でした。


■FISワールドカップスキージャンプ トロンハイム大会■2004年12月6日
 12月4日から5日、ワールドカップはノルウェーのトロンハイムに舞台を移し、ラージヒル個人戦を2戦行いました。 両日とも気温が高く雨が降っていて、お世辞にも良い条件とは言えない状況だったようで、雨や風の状態によって有利不利の差はかなり大きなものがあったと思われます。

●12月4日 トロンハイム 個人第3戦 ラージヒル HS131/K120 [リザルト]
 トロンハイム大会の緒戦は天候が雨。 気温2.5〜3.6℃、雪温-0.1℃、風速0.1〜1.4m/sという条件で行われました。 優勝したのはヤンネ・アホネン(FIN)。 1stラウンドで132.0m、2ndラウンドでは135.5mまで飛距離を伸ばして逃げ切りました。 2位はヤクブ・ヤンダ(CZE)、3位はアンドレアス・ヴィドヘルツル(AUT)でした。
 日本勢は葛西紀明(土屋ホーム)が125.5mと122.5mで14位に入ったのが最高。 伊東大貴(土屋ホーム)は20位、宮平秀治(ミズノ)は26位、船木和喜(フィットスキー)は30位、東輝(日本空調サービス)は32位、山田大起(北野建設)は45位でした。

●12月5日 トロンハイム 個人第4戦 ラージヒル HS131/K120 [リザルト]
 この日も天候は良くならず、雨の中の競技となりました。 気温は2.8〜3.0℃、雪温-0.1℃、風速は0.4〜3.1m/sで、特に風向きの変化が激しい日だったようです。 この日の優勝はまたもやヤンネ・アホネン(FIN)。 1stラウンドで123.0mを飛んで3位につけ、2ndラウンドでも124.5mとうまくまとめて逆転で優勝しました。 2位はマルティン・ヘルヴァルト(AUT)、3位はアンドレアス・ヴィドヘルツル(AUT)でした。
 日本勢はこの日も全般的に奮わず。 葛西紀明(土屋ホーム)が112.0mと116.5mで9位に入ったのが最高で、以下、宮平秀治(ミズノ)は16位、伊東大貴(土屋ホーム)は38位でした。 船木和喜(フィットスキー)、東輝(日本空調サービス)、山田大起(北野建設)の3名は予選を通過することができませんでした。

 トロンハイム大会を終えて、個人総合成績はトップがヤンネ・アホネン(FIN)の400ポイント、2位はマルティン・ヘルヴァルト(AUT)の208ポイント、3位はヤクブ・ヤンダ(CZE)の198ポイントです。 日本勢は葛西紀明(土屋ホーム)は127ポイントで9位、宮平秀治(ミズノ)は51ポイントで19位、伊東大貴(土屋ホーム)は33ポイントで23位、船木和喜(フィットスキー)は4ポイントで41位となっています。 国別成績ではトップがオーストリア、日本は5位です。

 次のワールドカップは12月11日〜12日にかけて、チェコのハラホフでラージヒル個人戦を2戦行う予定です。

[ワールドカップジャンプ全日程]


■FISワールドカップスキージャンプ クーサモ大会■2004年11月29日
 2004-2005シーズンのワールドカップ開幕戦は、この時期お馴染みとなりつつあるフィンランドのクーサモで開かれました。 ノルディックオープニングということで、スキージャンプの他にクロスカントリーとノルディックコンバインドのワールドカップも同時開催となる非常に大きな大会でした。 日本勢は 葛西紀明(土屋ホーム)/東輝(日本空調サービス)/宮平秀治(ミズノ)/伊東大貴(土屋ホーム)/船木和喜(フィットスキー)/山田大起(北野建設) の6名で臨みました。
 スキージャンプは当初、11月26日と同27日に個人戦を2戦行う予定でしたが、強風のため公式練習と予選のスケジュールがずれ込み、26日に予定されていた緒戦が28日に順延されました。

●11月27日 クーサモ 個人第2戦 ラージヒル HS142/K120 [リザルト]
 前日の思いもよらぬ強風のために予選が当日にずれ込んでしまった個人第2戦。 天候は快晴、気温は-11〜-13℃、雪温-10℃、風は0.2〜2.0m/sという条件の下、ナイトゲームで競技が行われました。 優勝したのは144.5mと142.0mという圧倒的な飛距離を叩き出したヤンネ・アホネン(FIN)。 2位にポイント差で43.2点、飛距離に換算すると24mもの大差をつけての圧勝でした。 2位はアレキサンデル・ヘル(GER)、3位はマッティ・ハウタマキ(FIN)でした。
 日本勢はトレーニングから好調だった葛西紀明(土屋ホーム)が132.5mと129.0mを飛んで6位に入賞。 宮平秀治(ミズノ)も健闘して10位に入りました。 山田大起(北野建設)は1stラウンド39位で2ndラウンドに進めずに終わり、東輝(日本空調サービス)、伊東大貴(土屋ホーム)、船木和喜(フィットスキー)の3名は予選を通過することができませんでした。

●11月28日 クーサモ 個人第1戦 ラージヒル HS142/K120 [リザルト]
 順延されて個人第2戦のあとに開催することとなった個人第1戦。 競技開始は夕方でしたが、おそらくこの時間帯のフィンランドは夜と同じ暗さのはず。 天候快晴、気温-12.2℃、雪温-13.0℃、風は0.4〜3.0m/s。 前日よりも風の条件が不安定だったようで、苦しんだ選手も多かったようです。 優勝はこの日もヤンネ・アホネン(FIN)。 不安定な風をものともせず、143.0mのジャンプを2本揃えて逃げ切りました。 2位はトマス・モルゲンシュテルン(AUT)、3位はヤクブ・ヤンダ(CZE)でした。
 日本勢は葛西紀明が安定した強さを発揮、129.5mと131.0mを飛んでこの日も6位に入賞しました。 1stラウンドで130.5mを飛んで4位につけていた伊東大貴(土屋ホーム)は2ndラウンドで飛距離を伸ばせず12位に後退。 宮平秀治(ミズノ)は26位、船木和喜(フィットスキー)は28位でした。 東輝(日本空調サービス)は46位、山田大起(北野建設)は47位で、それぞれ2ndラウンドに進むことができませんでした。

 クーサモ大会を終了して、個人総合成績のトップは当然ヤンネ・アホネン(FIN)、2位はトマス・モルゲンシュテルン(AUT)、3位はアレキサンデル・ヘル(GER)です。 葛西紀明(土屋ホーム)は6位、宮平秀治(ミズノ)は15位につけて、予選免除のシード権を獲得しています。 国別対抗成績ではトップがオーストリア、2位がフィンランド。日本は4位です。

 ワールドカップスキージャンプ、次は12月4日〜5日にノルウェーのトロンハイムでの開催。 ラージヒル個人戦が2戦予定されています。

[ワールドカップジャンプ全日程]


■サマージャンプ国内公式戦(9月〜10月)■2004年10月18日
 少々遅くなりましたが、9月から10月にかけてのサマージャンプ国内公式戦の結果を簡単にまとめます。 冬の本番が目前に迫ったこの時期は、各選手がシーズン開幕にむけてどのように調整を進めるか、内外に自身のジャンプをどのようにアピールしていくかが重要な課題となります。 特に海外遠征メンバーに選ばれるかどうか微妙なラインに位置する選手達には、内容と結果の両方が問われる厳しい試合となったはずです。

●9月19日 第4回新潟県妙高高原サマージャンプ大会
妙高高原赤倉シャンツェ ノーマルヒルK90

 成年組の優勝は東輝(日本空調サービス)。 1stラウンドは95.5m、2ndラウンドではこの台のヒルレコードを更新する99.5mの最長不倒距離をマークしました。 2位は金子祐介(東京美装)、3位は岡部孝信(チーム雪印)でした。
少年組は栃本翔平(札幌藤野中)が、女子組は山田いずみ(ロイズ)がそれぞれ優勝しました。

●10月16日 白馬カップサマージャンプ大会
白馬ジャンプ競技場 ラージヒルK120

 11月から始まるコンチネンタルカップの遠征メンバー選考会を兼ねて行われるこの試合で、今シーズンのサマージャンプ国内公式戦は全ての日程を終えます。 優勝は一戸剛(アインズ)。 1stラウンドで119.5m、2ndラウンドではこの日の最長不倒距離となる134.0mを飛んで逆転勝利を収めました。 2位は宮平秀治(ミズノ)と東輝(日本空調サービス)が同ポイントで並びました。
 女子組では山田いずみ(ロイズ)が1stラウンドでただ一人K点を越える125.5mを飛び、圧勝しました。



■FISグランプリスキージャンプ 白馬大会■2004年9月27日
 グランプリシリーズの最終戦となるのは白馬大会。 9月最後の土日でラージヒル個人戦を2戦続けて行いました。 ヨーロッパの一部の選手はエントリーしていませんでしたが、個人総合成績上位15名のうち13名が参加する見所の多い大会となりました。 日本は初日の個人第6戦で開催国枠いっぱいの12名の選手をエントリーして、地元での最終戦に臨みました。

●9月25日 白馬 個人第6戦 ラージヒル HS131/K120 [リザルト][フォトレポート]
 秋雨前線の停滞で不安定な天気が続いていたこの時期。 前日の予選は雨に祟られましたが、ナイトゲームで行われたこの日の本戦は競技中に雨が降ることもなく、風もほとんど無い安定した気象条件でした。 天候曇り、気温16.5℃、風は0.1〜1.5m/s。 風向の変化が少ないため飛距離が出ても危険度は低いとジュリーが判断したのか、平均カンテスピード92km/h台という白馬のシャンツェとしては高速の設定で競技が開始されました。 130mを越えるジャンプが続出する見応えのある試合になりました。
 優勝したのは絶好調のダニエル・フォアファンク(NOR)。 1stラウンドに夏のヒルレコードタイ記録となる134.0mを飛んでトップに立ち、2ndラウンドも133.0mを飛んで着地も決めてサマーGPシリーズ2勝目をあげました。 2位は2ndラウンドに133.0mを飛んで1stラウンドの8位から順位を上げたマッティ・ハウタマキ(FIN)、3位は131.5mと129.5mの安定したジャンプで着実にポイントを稼いだ葛西紀明(土屋ホーム)でした。 葛西はサマーGPシリーズ二度目の表彰台となります。
 その他の日本人選手は、東輝(日本空調サービス)が10位、宮平秀治(ミズノ)が11位、伊東大貴(土屋ホーム)が15位、山田大起(北野建設)が21位、船木和喜(フィットスキー)が26位と、ヨーロッパ遠征組が堅実にグランプリポイントを獲得。 開催国枠で出場して予選を通過した選手は、金子祐介(東京美装)が43位、一戸剛(アインズ)が44位、岡部孝信(チーム雪印)が45位、湯本史寿(東京美装)が47位、西森享平(丸善食品工業)が48位で、それぞれ2ndラウンドに進むことが出来ませんでした。

●9月26日 白馬 個人第7戦 ラージヒル HS131/K120 [リザルト]
 一夜明けて午前中の競技開始となった個人第7戦。 これがグランプリシリーズの最終戦となります。 天候曇り、気温約20℃、風は0.1〜2.5m/s。 午前中は風が安定しない傾向にある白馬ですから、ナイトゲームで競技が行われた前日よりも風の条件が厳しくなるのは致し方ないところです。
 この日の優勝はマルティン・ヘルヴァルト(AUT)。 1stラウンドで128.5mを飛んで2位につけると2ndラウンドでは132.5mまで飛距離を伸ばし、逆転で最終戦を制しました。 彼はこれがグランプリシリーズの初勝利です。 2位は127.5mと133.0mを飛んだ前日の勝者ダニエル・フォアファンク(NOR)、3位は既に個人総合優勝を決めているアダム・マリシュ(POL)でした。
 日本勢は葛西紀明(土屋ホーム)が128.0mと124.0mを飛んで6位に入賞。 東輝(日本空調サービス)は1stラウンドで130.0mを飛んでトップに立ちましたが、2ndラウンドで飛距離を伸ばせず10位に順位を下げてしまいました。 以下、伊東大貴(土屋ホーム)が13位、宮平秀治(ミズノ)が18位、山田大起(北野建設)が19位でした。 船木和喜(フィットスキー)は2ndラウンドに進めず45位に終わりました。

 白馬大会で全ての日程を終えた今年のグランプリスキージャンプ。 個人総合成績は以下の通りです。
 1.Adam Malysz (POL)                520
 2.Martin Hoellwarth (AUT)          362
 3.Daniel Forfang (NOR)             312
 4.Thomas Morgenstern (AUT)         273
 5.葛西紀明 (土屋ホーム)            263
 6.Matti Hautamaeki (FIN)           255
 7.Andreas Kuettel (SUI)            200
 8.Michael Neumayer (GER)           192
 9.Robert Kranjec (SLO)             188
10.Reinhard Schwarzenberger (AUT)   182
11.Andreas Widhoelzl (AUT)          170
12.宮平秀治 (ミズノ)                160
13.Jakub Janda (CZE)                155
14.Bjoern Einar Romoeren (NOR)      121
15.伊東大貴 (土屋ホーム)            116
21.東輝 (日本空調サービス)           89
22.船木和喜 (フィットスキー)         86
40.Mateusz Rutkowski (POL)           22
40.山田大起 (北野建設)               22

 また、国別対抗成績は次のようになりました。
 1.Austria                         2089
 2.Japan                           1386
 3.Norway                          1372
 4. Poland                           999
 5.Slovenia                         808
 6.Germany                          722
 7.Finland                          659
 8.Switzerland                      318
 9.Czech Republic                   227
10.Sweden                            28
11.Slovakia                          26
12.United States                     16
13.Kazakhstan                         4

 個人総合成績を見れば、アダム・マリシュ(POL)が開幕から4連勝して早々に総合優勝を決めましたが、2位以下のポイント争いは見応えがありました。 国別成績で断然トップに立つオーストリア勢が流石の層の厚さを見せる一方、日本やノルウェーも健闘して総合順位の変動はなかなか激しいものがありました。 また地味な活躍ではありましたが、このグランプリシリーズではチェコの奮闘も光りました。 ヤクブ・ヤンダを中心に、昨シーズンから比べて相当レベルアップしているようです。
 一方残念だったのは、チームの方針からかサマーGPシリーズを通して目立った活躍が見られなかったフィンランドとドイツ。 特にドイツはシリーズ後半からエース格の選手がこぞって参加を取りやめてしまい、オーストリアやノルウェー、日本などと比べてサマーGPシリーズに対する取り組み方が「冷めて」いるようにも感じられてしまうのが寂しいところです。 冬のワールドカップではどのような布陣で臨んでくるのか、期待半分不安半分で気になります。

 日本勢では、スロースターターの印象が強い葛西紀明が快調に飛ばして総合成績でも5位につけ、調整が順調に進んでいる様子が伺えます。 またジャンプの内容でも日本チームの中で一人頭抜けた存在であることは明確で、冬のワールドカップも葛西を中心にしたチーム編成で戦うことは間違いないでしょう。
 葛西と同じチームの後輩になる伊東大貴は今シーズンが社会人一年目となりますが、個人戦7試合全てでポイントを獲得する安定感が頼もしいです。 宮平秀治や東輝も試合を重ねるごとに調子が上がってきており、技術面で諸外国の強豪選手との差は感じられなくなりました。
 あとは、船木和喜と山田大起がどの程度復調してくれるかというところでしょうか。 白馬大会のジャンプを見る限りでは、船木はここ2,3年のサマーシーズンの中でも今年が一番状態が良いように思えますし、山田も少しずつ本来のジャンプの感覚を取り戻しつつあるようです。 この調子で調整を進めて冬のワールドカップ開始までにどの程度完成度を高められるか、どれだけ結果を残せるかが一番の課題でしょうから、今年の秋の調整期間は非常に重要な意味合いを持ちます。 コンチネンタルカップ組の追い上げも激しくなってきていますので、今が正念場なのかもしれません。

[ワールドカップジャンプ全日程]


■FISグランプリスキージャンプ インスブルック大会■2004年9月13日
 7月末から始まったFISグランプリスキージャンプ、ヨーロッパシリーズの最終戦となる個人第5戦はオーストリアのインスブルックで行われました。 毎年ジャンプ週間の3戦目が行われるベルクイーゼルのラージヒルを使用しました。 天候曇り、気温17℃、風は0.1〜1.4m/sとまずまず落ち着いた条件の下での試合となったようです。

●9月12日 インスブルック 個人第5戦 ラージヒル HS130/K120 [リザルト]
 この試合で最も注目されたのは、ここまで個人戦4戦全勝と絶好調のアダム・マリシュ(POL)が5連勝なるか否かということ。 公式練習やトライアルでも頭一つ抜きんでた飛距離をマークしていたマリシュに、チーム力抜群のオーストリアを始め各国の強豪選手がどれだけ肉薄できるかがポイントとなりました。
 ところがそのマリシュは1stラウンドで13位と出遅れて優勝争いから早々に脱落、2ndラウンドで挽回を狙いますが結局11位に終わってしまいました。 優勝したのは、今シーズンからめきめきと頭角を現してきたダニエル・フォアファンク(NOR)。 1stラウンドで129.5mを飛んで2位につけると、2ndラウンドではラウンドトップとなる131.0mを飛んで逆転勝利を収めました。 2位は1stラウンドで僅差のトップに立っていたノルウェーのエース、ロアー・ヨケルソイ(NOR)でした
 日本勢は少しずつ調子を上げてきていた宮平秀治(ミズノ)が128.5mと128.0mの安定したジャンプを見せて、見事に3位入賞。 今シーズン初めて表彰台に上りました。 以下、葛西紀明(土屋ホーム)が9位、伊東大貴(土屋ホーム)が13位、東輝(日本空調サービス)が17位、船木和喜(フィットスキー)が19位でした。 山田大起(北野建設)は45位で2ndラウンドに進むことができませんでした。
 またこの試合から、フィンランドのエース、ヤンネ・アホネン(FIN)が参戦しています。 公式練習や予選でも大きなジャンプを連発して貫禄充分、決勝でも6位に入賞して実力の高さを見せつけました。

 インスブルック大会を終えて個人総合成績は、既に総合優勝を決めているアダム・マリシュ(POL)が424ポイント、2位はマルティン・ヘルヴァルト(AUT)で222ポイント、3位はトマス・モルゲンシュテルン(AUT)で183ポイントです。 日本勢は葛西紀明(土屋ホーム)が163ポイントで5位、宮平秀治(ミズノ)が123ポイントで13位となり、この両名は次の白馬大会で予選免除のシード権を得ています。 以下、船木和喜(フィットスキー)が19位、伊東大貴(土屋ホーム)が20位、東輝(日本空調サービス)が27位です。 国別対抗成績は、1位が1655ポイントでオーストリア、2位は1170ポイントでノルウェー、3位は1134ポイントで日本となっています。

 グランプリスキージャンプは9月下旬の白馬大会を残すのみとなりました。 9月25日から26日まで、白馬ジャンプ競技場でラージヒル個人戦を2戦行う予定です。 既に個人総合優勝がマリシュに決まっていますが、冬のワールドカップを見越した厳しい鍔迫り合いが白馬でも見られることを期待しましょう。 ([ワールドカップジャンプ全日程]


■FISグランプリスキージャンプ ヴァル・ディ・フィエンメ大会■2004年9月9日
 ザコパネ大会終了から中一日おいてイタリアのヴァル・ディ・フィエンメで行われたグランプリシリーズ個人第4戦。 本戦の開始時刻は現地時間21時という、かなり遅い時間帯のナイトゲーム。 気温15〜17℃、天候は快晴、風は0.5〜2.0m/sと、まずまずの落ち着いた条件で行われました。

●9月8日 ヴァル・ディ・フィエンメ 個人第4戦 ラージヒル HS134/K120 [リザルト]
 優勝したのは、グランプリシリーズでここまで個人戦全てを制しているアダム・マリシュ(POL)。 1stラウンドでただ一人ジュリーディスタンスに届く134.0mを飛んでトップに立ち、スタートゲートが下げられた2ndラウンドも129.5mまで飛距離を伸ばして、圧勝しました。 2位はアンドレアス・ヴィドヘルツル(AUT)、3位はアンドレアス・キュッテル(SUI)でした。
 日本勢はトレーニングから好調だった宮平秀治(ミズノ)が10位タイに入ったのが最高順位。 以下、1stラウンドで6位につけていた船木和喜(フィットスキー)が13位、葛西紀明(土屋ホーム)が17位、東輝(日本空調サービス)が18位、伊東大貴(土屋ホーム)が20位、山田大起(北野建設)が31位でした。

 ヴァル・ディ・フィエンメ大会を終えて個人総合成績は、トップが言うまでもなくアダム・マリシュ(POL)で400ポイント、2位はマルティン・ヘルヴァルト(AUT)で186ポイント、3位はトマス・モルゲンシュテルン(AUT)で157ポイントとなっています。 マリシュ、個人戦をあと2試合残して既に2位と大差を付けてダブルスコア。 リザルトの数字だけを見たら完全に一人舞台です。 日本勢は葛西紀明(土屋ホーム)が134ポイントで5位タイ、船木和喜(フィットスキー)が69ポイントで16位、宮平秀治(ミズノ)が63ポイントで18位、伊東大貴(土屋ホーム)が60ポイントで19位、東輝(日本空調サービス)が23ポイントで29位です。 国別対抗成績ではオーストリアが1483ポイントでトップ、日本は999ポイントで2位につけています。

 次の試合は9月12日、オーストリアのインスブルックでラージヒル個人戦が行われます。 ([ワールドカップジャンプ全日程]


■FISグランプリスキージャンプ ザコパネ大会■2004年9月6日
 今回のグランプリシリーズの開催地はポーランドのザコパネ。 ワールドカップでは既にお馴染みのシャンツェですが、サマーGPでは初めての開催となります。 前回のクーシュベル大会から約一ヶ月のブランクをおいて、サマーGP後半戦の開始です。

●9月4日 ザコパネ 個人第3戦 ラージヒル HS134/K120 [リザルト]
 ナイトゲームで行われた初日の個人戦。 天候は曇り、気温が10〜12℃と、サマージャンプとしては非常に涼しい条件でした。 優勝したのはここまで個人戦2連勝と絶好調のアダム・マリシュ(POL)。 1stラウンドでこの日の最長不倒距離となる134.0mを飛んでトップに立つと、2ndラウンドも124.0mと無難にまとめて、サマーGP3勝目をあげました。 2位は安定したジャンプが光ったロベルト・クラニェチ(SLO)。3位はビョルン・アイナー・ルメレン(NOR)でした。
 日本勢は船木和喜(フィットスキー)が125.0mと126.5mを飛んで、久しぶりのシングルとなる7位に入賞。 以下、葛西紀明(土屋ホーム)が11位、東輝(日本空調サービス)が21位、伊東大貴(土屋ホーム)が22位、宮平秀治(ミズノ)が29位でした。 山田大起(北野建設)は48位で2ndラウンドに進むことができませんでした。

●9月5日 ザコパネ 団体第2戦 ラージヒル HS134/K120 [リザルト]
 昼過ぎからの開始となった団体戦は、前夜よりも気温が上がって17〜18℃。 個人戦と比べてこの日は風の強弱が若干目立ったようです。 優勝はノルウェー(フォーファンク/ヨケルソイ/インゲブリットセン/ルメレン)。 1stラウンドを終えた時点ではオーストリアに次いで2位でしたが、2ndラウンドで第一飛躍のフォーファンクがこの日の最長不倒距離となる139.5mを飛んで追い上げ、第3飛躍のインゲブリットセンが137.5mをマークしてオーストリアを逆転し、見事に優勝を飾りました。 2位は抜群のチーム力で優勝候補筆頭だったオーストリアでした。 日本チームは 船木和喜/東輝/伊東大貴/葛西紀明 のオーダーで臨み、3位に入賞しました。 エースの葛西は2本ともK点に届かない苦しいジャンプでしたが、東や伊東のK点越えジャンプなどでそれをカバーして、ポイントで競り合うスロヴェニアをかわして表彰台をもぎ取りました。

 ザコパネ大会を終了して、個人総合成績はここまで全勝のアダム・マリシュ(POL)が300ポイントでトップ、2位は170ポイントのマルティン・ヘルヴァルト(AUT)、3位は142ポイントのトマス・モルゲンシュテルン(AUT)です。 葛西紀明(土屋ホーム)は120ポイントで4位に踏みとどまっており、この後の成績次第ではまだまだ上位を狙える位置にいます。 国別対抗成績ではトップはオーストリア、2位は日本、3位はノルウェーです。

 グランプリシリーズはこの後すぐにイタリアへ移動して、9月8日にヴァル・ディ・フィエンメのラージヒルで個人戦を行います。 ([ワールドカップジャンプ全日程]


■FISコンチネンタルカップスキージャンプ リレハンメル大会■2004年9月2日
 コンチネンタルカップはノルウェーのリレハンメルに舞台を移し、1994年冬季五輪で使用したノーマルヒルで個人戦を2戦行いました。 日本勢は梅崎慶大(白馬村SC)と西下和記(日本空調サービス)がラムサウ大会に引き続き参戦しました。

●8月21日 リレハンメル 個人第7戦 ノーマルヒル HS100/K90
 緒戦を制したのはフェルディナンド・バダー(GER)。 2本ともジュリーディスタンスを越える101.0mと100.5mのジャンプでの優勝です。 2位はダニエル・フォーファンク(NOR)、3位はバルタザール・シュナイダー(AUT)でした。 日本勢は二人とも飛距離を伸ばせず、梅崎慶大(白馬村SC)は20位、西下和記(日本空調サービス)は23位に終わりました。

●8月22日 リレハンメル 個人第8戦 ノーマルヒル HS100/K90
 前日の試合よりも風が強いコンディションで行われた第2戦、前日4位に終わったモルテン・ソレム(NOR)が101.0mと99.0mを飛んで優勝しました。 2位は前日の優勝者フェルディナンド・バダー(GER)、3位はダニエル・フォーファンク(NOR)でした。 日本勢はこの日もジュリーディスタンスに届かず、梅崎慶大(白馬村SC)が17位、西下和記(日本空調サービス)は18位に終わりました。

 サマージャンプのコンチネンタルカップはこの試合が第1ピリオドの最終戦です。 日本から参戦した2名の選手は近い将来の日本チームの主力メンバーに選ばれてもおかしくない素質を持っていますが、現状ではサッツ(踏み切り動作)の力強さや完成度がまだまだ低いようで、外国人選手の強豪に肉薄するだけの結果を残すことができませんでした。 この遠征で露呈した諸外国勢との実力差は、おそらく日本の選手全般的に当てはまる部分も多いのだろうと思います。 今後の強化課題として教訓を生かしていってほしいものです。


■FISコンチネンタルカップスキージャンプ ラムサウ大会■2004年8月20日
 グランプリシリーズが約1ヶ月の中断に入っていますが、コンチネンタルカップは試合が続いています。 8月14日から15日にかけて、個人第5戦及び第6戦がオーストリアのラムサウで行われました。 日本からは西下和記(日本空調サービス)と梅崎慶大(白馬村SC)の2人が参戦しました。

●8月14日 ラムサウ 個人第5戦 ノーマルヒル HS98/K90
 ナイトゲームで行われたこの試合、雨が降る生憎のコンディションだったようですが、僅差のポイントを争う接戦になった模様です。 優勝は95.0mと93.0mを飛んだシュテファン・カイゼル(AUT)、2位はロベルト・マテヤ(POL)、3位はバルタザール・シュナイダー(AUT)でした。 日本勢は西下和記(日本空調サービス)が24位、梅崎慶大(白馬村SC)は2ndラウンドに進めずに34位に終わりました。

●8月15日 ラムサウ 個人第6戦 ノーマルヒル HS98/K90
 この日の試合も雨、前日と同じような接戦になりました。 優勝はロベルト・マテヤ(POL)。 1stラウンドで99.0mの最長不倒距離をマークし、2ndラウンドでも93.5mとうまくまとめて逃げ切りました。 2位はイェルネイ・ダミヤン(SLO)、3位はアンドレアス・コフラー(AUT)でした。 日本勢はこの日も低調、西下和記(日本空調サービス)がかろうじて16位に入りましたが、梅崎慶大(白馬村SC)はこの日も2ndラウンドに進めず34位に終わりました。


■FISグランプリスキージャンプ クーシュベル大会■2004年8月8日
 グランプリシリーズの第2戦はフランスのクーシュベル。 1992年アルヴェールビル冬季五輪で使用したラージヒルが舞台です。 日本チームは前週のヒンターツァルテンで調整を行ったあと、8月4日に現地入りして大会に臨みました。

●8月7日 クーシュベル 個人第2戦 ラージヒル HS132/K120 [リザルト]
 ナイトゲームで行われたこの試合、25度前後の気温と比較的おだやかな風で、特に波乱のない展開になったようです。 優勝は128.0mと126.0mの安定したジャンプを揃えたアダム・マリシュ(POL)。 1stラウンドでトップに立って、その差を2ndラウンドも堅実に守った形です。 2位はマルティン・ヘルヴァルト(AUT)、3位はロク・ベンコビッチ(SLO)でした。
 日本勢は葛西紀明(土屋ホーム)が公式練習と予選をキャンセルしましたが、121.5mと122.5mを飛んで日本人選手最高位の7位に入りました。 以下、伊東大貴(土屋ホーム)が11位、宮平秀治(ミズノ)が16位、船木和喜(フィットスキー)が24位、山田大起(北野建設)は2ndラウンドに進めず36位でした。 東輝(日本空調サービス)は公式練習で大きなジャンプを見せていたものの、予選を通過することはできませんでした。

 クーシュベル大会を終えて個人総合成績は、トップが2連勝して200ポイントのアダム・マリシュ、2位にはマルティン・ヘルヴァルトとトマス・モルゲンシュテルン(AUT)のオーストリア勢二人が130ポイントで並びました。 葛西紀明は96ポイントで4位、伊東大貴は40ポイントで12位、宮平秀治は35ポイントで13位、船木和喜は13ポイントで27位となっています。 国別対抗成績ではオーストリアが826ポイントで断然トップ、日本は534ポイントで2位につけています。

 この後のグランプリシリーズは、9月4日〜5日にポーランドのザコパネで行われる個人戦及び団体戦まで約一ヶ月のブランクに入ります。 それぞれのチームは自国に帰るなどして調整を行うことになるでしょう。 日本チームはメンバーの入れ替えは無く、同じ6名でザコパネ大会以降にも参戦する予定です。 ([ワールドカップジャンプ全日程]


■FISグランプリスキージャンプ ヒンターツァルテン大会■2004年8月2日
 夏場のワールドカップの位置づけとなるグランプリシリーズの開幕戦はお馴染みドイツのヒンターツァルテン。 HS(ヒルサイズ)108mとノーマルヒルとしては大きめのシャンツェで、個人戦と団体戦が行われました。 日本チームからは、昨シーズン終了時までのワールドカップポイント獲得実績から、葛西紀明(土屋ホーム)/東輝(日本空調サービス)/宮平秀治(ミズノ)/伊東大貴(土屋ホーム)/船木和喜(フィットスキー)/山田大起(北野建設)の6名が参戦しています。

●7月31日 ヒンターツァルテン 個人第1戦 ノーマルヒル HS108/K95 [リザルト]
 最初の個人戦を制したのは、オーベルシュトドルフのコンチネンタルカップで2戦とも勝っているアダム・マリシュ(POL)。 110.5mと105.0mを飛んで接戦を制しました。 2位はトマス・モルゲンシュテルン(AUT)、3位は葛西紀明(土屋ホーム)でした。 葛西はシーズンイン時から好調だったようで、この日も105.5mと106.0mの安定した飛距離でした。
 その他の日本人選手は、宮平秀治(ミズノ)がアンドレアス・ヴィドヘルツル(AUT)と並んで13位タイ、予選でトップだった伊東大貴(土屋ホーム)は15位、船木和喜(フィットスキー)は25位でした。 東輝(日本空調サービス)は45位で2ndラウンドに進めず、山田大起(北野建設)は予選を通過することができませんでした。

●8月1日 ヒンターツァルテン 団体第1戦 ノーマルヒル HS108/K95 [リザルト]
 大会二日目の団体戦、日本は 伊東大貴/船木和喜/宮平秀治/葛西紀明 のオーダーで臨みました。 優勝はオーストリア。ジュリーディスタンスに迫るジャンプを連発して、圧倒的な強さを見せました。 2位は伊東の健闘が光った日本、3位はポーランドでした。

 グランプリシリーズもワールドカップと同じように総合ポイントが加算されていきます。 個人の総合成績は第1戦の結果とそのまま同じ順位、トップがマリシュで葛西は3位につけています。 国別対抗成績ではオーストリアが602ポイントでトップ、2位が日本で452ポイント、3位はポーランドで416ポイントです。

 グランプリシリーズ、次の試合は8月7日にフランスのクーシュベルでラージヒル個人戦が予定されています。 ([ワールドカップジャンプ全日程]


■FISコンチネンタルカップスキージャンプ オーベルシュトドルフ大会■2004年8月2日
 コンチネンタルカップのオーベルシュトドルフ大会は今シーズン初のラージヒルです。 北欧勢などの有力選手は参加していませんが、グランプリシリーズ開幕直前の調整で参加する選手も多かったと思われます。

●7月24日 個人第3戦 オーベルシュトドルフ ラージヒル HS137/K120
 優勝したのはアダム・マリシュ(POL)。 136.0mと134.0mを飛んで2位に24ポイントの大差をつける圧勝でした。 2位はロベルト・クラニェチ(SLO)、3位はロベルト・マテヤ(POL)でした。 日本人選手は西下和記(日本空調サービス)が14位、梅崎慶大(白馬村SC)が21位に入りました。 一戸剛(アインズ)は38位、岡部孝信(チーム雪印)は43位、高野鉄平(土屋ホーム)は62位で、それぞれ2ndラウンドに進むことができませんでした。

●7月25日 個人第4戦 オーベルシュトドルフ ラージヒル HS137K120
 この日もアダム・マリシュ(POL)の強さが飛び抜けていました。 135.0mと130.0mを飛んで2位とのポイント差は約38ポイント、貫禄の優勝と言っていいでしょう。 2位は前日に続いてロベルト・クラニェチ(SLO)、3位はモルテン・ジェスホルト(NOR)でした。 日本人選手は西下和記(日本空調サービス)が前日から順位を上げて12位に入り、梅崎慶大(白馬村SC)は22位でした。 高野鉄平(土屋ホーム)は34位、岡部孝信(チーム雪印)は39位、一戸剛(アインズ)は48位で、この3名はこの日も2ndラウンドに進むことができませんでした。


■FISコンチネンタルカップスキージャンプ ヴェレーニャ大会■2004年8月2日
 今シーズンのコンチネンタルカップはスロヴェニアのヴェレーニャで開幕しました。 冬場のワールドカップへの参加条件としてコンチネンタルカップの獲得ポイントがより一層重要になった今季、日本チームからも積極的に選手を派遣しています。 開催地スロヴェニアの選手が中心となった試合ですが、日本やオーストリア、ポーランドなどからも選手が参加した大会でした。

●7月9日 個人第1戦 ヴェレーニャ ノーマルヒル HS94/K85
 優勝は90.5mのジャンプを2本揃えたビネ・ズパン(SLO)、2位はイェルネイ・ダミヤン(SLO)、3位はロベルト・クラニェチ(SLO)と、表彰台をスロヴェニア勢が独占しました。 日本人選手は梅崎慶大(白馬村SC)が12位タイに食い込んだのが最高。 高野鉄平(土屋ホーム)は15位、西下和記(日本空調サービス)は21位、一戸剛(アインズ)は30位でした。 岡部孝信(チーム雪印)は2ndラウンドに進めず35位に終わりました。

●7月10日 個人第2戦 ヴェレーニャ ノーマルヒル HS94/K85
 ヴェレーニャ大会の二日目はシュテファン・カイゼル(AUT)が88.5mと92.0mを飛んで優勝しました。 2位はロベルト・マテヤ(POL)、3位はイェルネイ・ダミヤン(SLO)でした。 日本人選手は一戸剛(アインズ)が14位、梅崎慶大(白馬村SC)が17位タイでした。 西下和記(日本空調サービス)と高野鉄平(土屋ホーム)は31位タイ、岡部孝信(チーム雪印)は46位で、2ndラウンドに進むことができませんでした。


■サマージャンプ国内公式戦(7月4日〜8月1日)■2004年8月2日
 7月からサマージャンプの国内公式戦が始まりました。 一部の選手はコンチネンタルカップやグランプリスキージャンプへの遠征で欠場していますが、シーズン初めの公式戦で各選手がシーズンオフで行ってきた練習や調整の成果が試されることになります。

●7月4日 第24回朝日町全日本サマージャンプ大会
朝日町三望台シャンツェ ミディアムヒルK60

 成年の部の優勝は金子祐介(東京美装)。 62.0mと61.0mを飛ぶ安定感のあるジャンプで圧勝しました。 2位は湯本史寿(東京美装)、3位は西森享平(丸善食品工業)でした。
 少年の部は田中翔太(小樽北照高)が接戦を制しました。 女子の部の優勝はエースの山田いずみ(ロイズ)でした。

●7月17日 第23回札幌市長杯宮の森サマージャンプ大会
宮の森ジャンプ競技場 ノーマルヒルK90

 コンチネンタルカップの遠征で欠場した選手を除くほぼ全ての有力選手が参加したこの大会、成年の部は葛西紀明(土屋ホーム)が95.5mと87.0mを飛んで圧勝しました。 2位は1stラウンドでトップだった伊東大貴(土屋ホーム)、3位は宮平秀治(ミズノ)でした。
 少年の部は舘岡航平(札幌日大高)が、女子の部は山田いずみ(ロイズ)がそれぞれ優勝しました。

●7月25日 サンピラー国体記念第2回サマージャンプ大会
名寄ピヤシリシャンツェ ノーマルヒルK90

 グランプリシリーズとコンチネンタルカップの遠征で一部の有力選手が欠場したこの大会、成年の部は金子祐介(東京美装)が97.0mと88.0mを飛んで優勝しました。 2位は原田雅彦(チーム雪印)、3位は畠山陽輔(秋田ゼロックス)でした。
 少年の部は佐々木悠兵(米沢工業高)が優勝、女子の部は山田いずみ(ロイズ)が制して連勝記録を伸ばしました。

●7月31日 UHB杯サマージャンプ大会2004
大倉山ジャンプ競技場 ラージヒルK120

 今シーズン初のラージヒルとなるこの大会、成年組はノルディック複合のエース高橋大斗(土屋ホーム)が126.0mと136.0mを飛んで優勝しました。 2位は岡部孝信(チーム雪印)、3位は桜井一欽(明治大)でした。
 少年組は伊藤謙司郎(下川中)が高校生を抑えて優勝、女子は金井理恵子(北野建設)が山田いずみを僅差で上回って優勝しました。

●8月1日 第5回札幌市長杯サマージャンプ大会
大倉山ジャンプ競技場 ラージヒルK120

 大倉山のラージヒル2連戦の二日目、成年組は岡部孝信(チーム雪印)が120.0mと135.5mを飛んで優勝、前日の雪辱を果たしました。 2位は金子祐介(東京美装)、3位は西森享平(丸善食品工業)でした。
 少年組は佐々木悠兵(米沢工業高)が前日優勝の伊藤謙司郎を抑えて優勝、女子は山田いずみ(ロイズ)が貫禄を見せて圧勝しました。



■2004−2005年 FISワールドカップスキージャンプ 日程■2005年3月20日更新
 2004〜2005年のFISワールドカップスキージャンプの日程です。今後変更される可能性もあります。

FISグランプリスキージャンプ
 2004.07.31 ヒンターツァルテン(GER)            HS108/K95(◆)
 2004.08.01 ヒンターツァルテン(GER)            HS108/K95団体(◆)
 2004.08.07 クーシュベル(FRA)                  HS132/K120(◆)
 2004.09.04 ザコパネ(POL)                      HS134/K120(◆)
 2004.09.05 ザコパネ(POL)                      HS134/K120団体(◆)
 2004.09.08 ヴァル・ディ・フィエンメ(ITA)      HS134/K120(◆)
 2004.09.12 インスブルック(AUT)                HS130/K120(◆)
 2004.09.25 白馬(JPN)                          HS131/K120(◆)
 2004.09.26 白馬(JPN)                          HS131/K120(◆)

FISワールドカップスキージャンプ
 2004.11.27 クーサモ(FIN)                      HS142/K120(ナイトゲーム)
 2004.11.28 クーサモ(FIN)                      HS142/K120(ナイトゲーム)
 2004.12.04 トロンハイム(NOR)                  HS131/K120(ナイトゲーム)
 2004.12.05 トロンハイム(NOR)                  HS131/K120(ナイトゲーム)
 2004.12.11 ハラホフ(CZE)                      HS142/K125
 2004.12.12 ハラホフ(CZE)                      HS142/K125
 2004.12.18 エンゲルベルク(SUI)                HS137/K125
 2004.12.19 エンゲルベルク(SUI)                HS137/K125

 4Schanzentournee〜ジャンプ週間
 2004.12.29 オーベルシュトドルフ(GER)          HS137/K120
 2005.01.01 ガルミッシュ・パルテンキルヘン(GER)HS125/K115
 2005.01.03 インスブルック(AUT)                HS130/K120
 2005.01.06 ビショフスホーフェン(AUT)          HS140/K120

 2005.01.08 ヴィリンゲン(GER)                  HS145/K130団体
 2005.01.09 ヴィリンゲン(GER)                  HS145/K130
 2005.01.15 バートミッテルンドルフ(AUT)        HS200/K185
 2005.01.16 バートミッテルンドルフ(AUT)        HS200/K185
 2005.01.22 ノイシュタット(GER)                HS142/K125
 2005.01.23 ノイシュタット(GER)                HS142/K125
 2005.01.29 ザコパネ(POL)                      HS134/K120(ナイトゲーム)
 2005.01.30 ザコパネ(POL)                      HS134/K120

 2005.02.05 札幌(JPN)                          HS134/K120(ナイトゲーム)
 2005.02.06 札幌(JPN)                          HS134/K120
 2005.02.11 プラジェラート(ITA)                HS140/K125
 2005.02.12 プラジェラート(ITA)                HS140/K125団体

 [2005世界ノルディックスキー選手権]
  2005.02.19 オーベルシュトドルフ(GER)          HS100/K90(◆)
  2005.02.20 オーベルシュトドルフ(GER)          HS100/K90団体(◆)
  2005.02.25 オーベルシュトドルフ(GER)          HS137/K120(◆)
  2005.02.26 オーベルシュトドルフ(GER)          HS137/K120団体(◆)

 2005.03.05 ラハティ(FIN)                      HS130/K116団体(ナイトゲーム)
 2005.03.06 ラハティ(FIN)                      HS130/K116(ナイトゲーム)(▲)
 2005.03.09 クォピオ(FIN)                      HS127/K120(ナイトゲーム)(▲)
 2005.03.11 リレハンメル(NOR)                  HS134/K120(▲)
 2005.03.13 オスロ/ホルメンコーレン(NOR)      HS128/K115(▲)
 2005.03.19 プラニツァ(SLO)                    HS215/K185
 2005.03.20 プラニツァ(SLO)                    HS215/K185
HS … Hill Size
(◆)成績はワールドカップポイントに加算されません。
(▲)ノルディックトーナメント

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