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2007世界ノルディック札幌大会観戦・遠征記 その1 |
2007年2月、アジアで初めて誘致された世界ノルディックスキー選手権が、札幌でいよいよ始まりました。
当時世界最強といわれた日本ジャンプ陣の感動の金メダルを目の当たりにした、1998年長野冬季五輪スキージャンプ団体戦から、はや9年。 その間に世界の情勢はすっかり変わりました。 幾たびかのルール改正に必要以上に翻弄された結果として、日本チームはすっかり弱体化してしまい、日本で行われるワールドカップにはヨーロッパのトップクラスの選手は出場を見合わせるようになり、今ではメダル獲得への期待はおろか、上位入賞さえ危うい状況。 同時に世間の注目はすっかり冷め切ってしまって、せっかく地元札幌で行われる世界選手権だというのに、マスコミも世間も盛り上がっている様子が全くありません。
‥‥だからどうした? その程度のことで地元開催の世界選手権をスルーするなんて事があり得ようか? 俺が見たいのは、メダルがどうの優勝がどうのとか騒いでいるスタジアムじゃない! スキージャンプの競技そのもの、それも世界の強豪が鎬を削る最高の「勝負の場」が見たいんじゃぁぁぁぁぁっ!!!
はい、そんなこと今更声高に叫ばなくても、ここをご覧の皆さんは私の性格をよくご存知だと思います(笑)。 昨年1月のワールドカップ札幌大会の遠征を「2007年世界選手権札幌大会遠征の前哨戦」として敢行したのだから、今年は何が何でも行きますともさ! 仕事が忙しくても、原稿が忙しくても、暖冬で雪が少なくても!
というわけで(前置きが長い)、チケットの手配も早めに済ませた私と友人K氏は、今年も札幌へ向かうのでありんす。 2月24日(土)早朝、今年の出発は「神戸マリンエア」こと神戸空港でございます。
上の写真の奥に見えるJAL機に搭乗します。 開港から約一年、当初の思惑よりも利用客は伸び悩み、神戸空港を発着する便数はこの春から一段と少なくなってしまいますが、新千歳行きの飛行機は特に影響はない模様。 0900時の出発予定時刻から約5分遅れで飛行機は離陸、新千歳空港には1時間45分ほどで到着しました。若干遅れたけどこの日の行動には支障なしです。
新千歳空港からJRの快速列車に乗って約40分、札幌駅に到着しましたら、外はピーカンの晴天でございました。 JRの駅構内では、JR北海道所属の女子クロスカントリー選手、夏見円さんや石田正子さんの等身大(?)スタンドポップが立っていたり、世界選手権の特設ブースがあったり、関西でマスコミの様子を見ていた時よりも「頑張って盛り上げようとしている」雰囲気が感じられました。 駅の南側に出てみると、おそらく表彰式などを行うと見られる設備が作られていて、スタッフのウェアを着た人が何人も見られます。 あのスタッフのウェア、なんかええ感じやね。どこかに売ってへんのかな(ぉ)。
よく見るとその脇には、「ノルディックカフェ」という喫茶コーナーが設けられている様子。 ネタにここでお茶をしてもいいかなとも思ったんだけど、何となく気になったので、入り口横に立てられていたメニューの看板を写真に撮ってみます。
他に英文のメニューがあるわけでもないのに、何故コーヒーだけ「(小)、(大)」じゃなくて「(SMALL)、(LARGE)」なんでしょ? 中途半端やなぁ(笑)。 おそらく大会関係者と思われる外国人もちらほら見かけるし、ここを利用しようと考える人もいるはず。 英文の看板をもう一枚用意するくらいでけへんかったんかいな。
とまぁ、心の中でツッコミを入れつつ、とりあえず昼食を食うべく繁華街へ足を運びます。
世界的な暖冬はこの札幌でも相当影響していたらしく、今年は町中の雪が極端に少ないです。 記録的な豪雪だった昨年と好対照。 確か昨年は、歩き慣れぬ雪道を転ばぬようにひたすら慎重に歩いていたのですが、今年は事前に買っておいたモンベルのスノーシューズが勿体ないくらい、雪が積もっている部分が少ないのです。 たぶん地元の方は春の街を歩いている気分でいてはるんやろなぁ。 どの程度の「暖冬」か想像もつかない我々は普通に冬装備で来ているのだから、歩いていると当然汗をかきます。暑い、暑いで。
昨年来た時も食事ではお世話になった、狸小路へ。 昼飯時だというのに、どの店も妙に空いているのは気のせいかな? とりあえずすぐに入れそうで、そこそこ札幌らしく、昼飯にちょうど良いものはないか、ということで入ったのはラーメン屋「初代一国堂」でした。
私が食べたのは「チャーシュー麺 しょうゆ」。 なんというか、見た感じで味が想像できてしまうような背脂たっぷりのこってり系ラーメンですが、ほぼ想像通りのお味でした(何)。 美味しかったけど、個人的には味付けはもう少し薄い方がいいなぁ。
店を出る時に1300時を少し回っていたので、そのままどこにも寄り道せずに、宿泊するホテル「札幌後楽園ホテル」へ。 15分くらい歩いてホテルに到着、チェックイン時刻1400時までには時間があったので、昨年と同じくホテル1階にある喫茶店「アトリウムラウンジ コンフォール」でお茶をしばきます。 なんつーか行動が昨年と変わっていない我々。それを自覚してやっているのだから世話はない。
ラーメンだけでは少し足らん、ということで、美味そうだったワッフルセットを。 焼き具合も絶妙に、外側がぱりっとしていて、とても美味しいワッフルでございました。 喫茶店の窓の外を見ると、外国の報道関係者とおぼしき人が、会場直行の送迎バスに乗っていきました。 あのバスに乗れたら最高やねんけどなぁ、とK氏と談笑しつつ、時間が迫ってきたのでチェックイン。 身支度を済ませてから早速大倉山ジャンプ競技場へ向かうことにしました。
今回の撮影用機材の一覧をここで書いておきます。
カメラボディ:
●Nikon D200(バッテリーパックMB-D200付)
●Nikon COOLPIX5900
レンズ:
●Ai AF-S ニッコールED300mmF4D(IF)
●Ai AF-S ニッコール テレコンバーター TC-14EII
●Ai AF ニッコール50mmF1.4D
●Ai AF ニッコール35mmF2D
●Ai AF ニッコール20mmF2.8D
記録メディア:
●Lexar Media 80x 2GB CF ×2枚(D200用)
●SANDISK Extreme III 2GB CF ×2枚(D200用)
●SANDISK Extreme III 4GB CF ×1枚(D200用)
●SanDisk ULTRA II 1GB ×1枚(D200用)
●ハギワラシスコム 512MB SD ×1枚(COOLPIX5900用)
これらを、昨年使用したものより二回り小さいカメラバッグに入れて携行しました。 今回は試合が両日ともナイトゲームなので、本当は300mmF2.8の明るいレンズを持っていきたかったんだけど、観客がいつもより多いだろうと予想して、狭い観客席でも振り回すのが容易な300mmF4を持っていくことにしました。 というか、昨年9月に購入したこの300mmF4のレンズは、それを見越して選んでいるわけですが。
とりあえず荷物は昨年よりもだいぶ軽くなってます。
ホテルの前から西を向いて撮影。雪が少ないのも、ここまで来ると拍子抜けという感じ。
ホテルを出てから西に向かい、西11丁目駅から地下鉄に乗って二駅、円山公園駅で下車。 円山公園駅には既に競技場へ向かう無料シャトルバスが待ちかまえていて、ちょうど発車するタイミングだったのでそのまま飛び乗ります。 地下鉄もバスも待ち時間ほとんど無し。 ホテルを出てから競技場の入り口まで、正味30分弱というところだったでしょうか。 昨年、歩道に積み上げた雪に紛れて地下鉄駅の入り口を見失い、一駅歩いて1時間近くかかって競技場に辿り着いたあの苦労が、いよいよ馬鹿馬鹿しく思えてきます(笑)。
バスを降りて入り口に行くと、手荷物検査とボディチェックをやっていました。 金属類は専用のポリ袋に入れ、それ以外の手荷物は中を開けてチェックし、本人は金属探知器をくぐらされるという、まるで空港並みのセキュリティ体制。 金属探知器がどの程度シビアに設定してあったのかわかりませんが、過去にスポーツ競技の観戦会場で経験した検査と比べると、今回のものが一番厳しいです。 だいたい手荷物検査だけで終わるんだけどなぁ。ま、9.11以来の傾向だろうから、致し方なし。
手荷物検査ついでにカメラを取り出して、その辺の光景を撮影しながら、撮影ポイントへ向かいます。 この日は飛距離100m前後のランディングバーンの真横に行ってみました。 ‥‥が、ここはあまりにも近すぎて、APS-Cフォーマットのデジタル一眼レフに300mmのレンズでは、飛んでいる選手を追いかけるのが至難の業。 トライアルラウンドまではその場所で撮影していましたが、近すぎて成功率も低かったので、1stラウンドからはそこから少し離れたところに下がって撮影することにしました。
トライアルラウンドの途中で、少し下の観客席で写真を撮影されていた[北海道建築工房]のスタッフ水野さんとお会いできました。 一年ぶりの再会、大変ご無沙汰しておりました。お元気そうで何よりです。 行きがけ、神戸空港の売店でK氏と一緒に買った差し入れのお菓子を渡して、とにかく今日はお互い頑張りましょう!、と。 水野さんが撮影された写真は[北海道建築工房]さんのサイトに掲載されていますので、是非見に行ってみてください。
この日の競技はラージヒル個人戦。 どのような結果だったのかは[こちら]をごらんくださいまし。 大倉山にしては風の変化が比較的緩かったのか、特に2ndラウンド後半は手に汗を握る白熱の展開。 130mクラスの大ジャンプが次から次へと飛び出して、会場は大変盛り上がりました。 そして優勝したのは、シモン・アマン(SUI)。2002年ソルトレイクシティ冬季五輪で個人戦2冠を達成した、スイスのエースです。
同じスイスでも、私はアンドレアス・キュッテルの方が成績が良いのではないかと予想していたのですが、キュッテルが大倉山に入ってからは全然ダメ。 正直言いますと、アマンが優勝するとは思っていなかったです。 2本とも素晴らしいジャンプで、見ていて圧倒されましたよ。
それ以外の選手で、今回私が特に楽しみにしていたのが、以下の3選手。
ワールドカップ個人総合トップの、アンデルス・ヤコブセン(NOR)。今季ワールドカップ初参戦。
オーストリアの新星、グレゴァ・シュリーレンツァウァー(AUT)。最新理論で育てられた”秘密兵器”。
優勝候補筆頭、アダム・マリシュ(POL)。画面が白いのは会場の照明が逆光になって入ったから。
日本勢の成績は今一つ奮わなかったけど、現在の実力と今シーズンの流れを見れば、特に驚くほどの悪い成績でもなし。 むしろ、日本チーム最年少の栃本翔平(北海道尚志学園高)が日本人としては最高の16位に食い込んだことが、私はとても嬉しかったです。 初めての世界選手権とは思えない落ち着いたジャンプで、現在彼が持てる力を十分に発揮できた試合だったと思います。
試合終了後は、機材を一通り片づけてからブレーキングトラックに。 ノイズチームの皆さんの中に、今大会のマスコットキャラクター”ノルッキー”の帽子をかぶった[野々村岳明さん]を発見。 声をかけてご挨拶して、がっちり握手をして(笑)、またまたついでに神戸空港売店土産のお菓子を渡して、少しの間でしたがしばしお話しできました。 明日もまたお会いできるでしょう、ということでひとまずお別れ、会場の歓声を背にして無料送迎バスの行列に並びました。
7200人の観客のほとんどを輸送するということで、会場から円山公園駅に向かう無料送迎バスには長蛇の列。 親不孝イベントに慣れている我々2名は行列に並ぶなんて「屁とも思わない」わけですが、牛歩の如くゆっくりしか進まない行列にしびれを切らせた人も多かったのでしょうね。 無料だから文句は言いますまい。 地元の子供たちの手作りだという、ペットボトルの空き容器を利用したキャンドルが、道端にずらーっと並んでいてなかなか幻想的な光。 明日も良い天気になるといいな、とか考えつつバスに乗り込みました。
地下鉄円山公園駅に着いたところで、既に時刻は21時を回っています。 夕食食べてないし、祝杯とはいかなくてもどこかで食事せなあかんよね、とK氏と話しながら移動していたら、ホテルの最寄りの西11丁目駅の直上のテナントビルの中に、営業中の店を何軒か発見。 どの店にするか決め手は特になかったんだけども、しっかり飯が食えそうな雰囲気だということで、「早来の豚 炎」という店に入ってみることにしました。 豚肉料理を売り物にする居酒屋という感じ? 雰囲気は落ち着いていて、酒もあるし、当てずっぽうで選んだにしては「大当たり」な店でした。
頼んだメニューの中から抜粋。相変わらずよく食う我々。 この店、店内のBGMが'70年代〜'80年代の歌謡曲です。ほぼ全て歌えます。ヤバいです(笑)。 ひとしきり飲み食いして店を出て、ホテルに戻ったら23時頃だったでしょうか。 テレビではその日の試合がHTB局で流れておりました。 さすがに疲れたので、風呂に入って、ゆっくり休むことにします。
明日も試合は夕方から。午前中は何の予定も考えてないけど、さてどうしよう(ぉ)。