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2007世界ノルディック札幌大会観戦・遠征記 その2




■穏やかな日曜日■
 2月25日(日)、天候は快晴。 前日は疲れに任せて特に何もせずに寝て、この日はK氏と二人で起き出したのが7時半頃。 この日も前日と同じ時間帯に試合があるので、とりあえずその時間帯には現地に向かうとして、問題はそれまでの時間をどう過ごすかということでした。 せっかくの札幌旅行なのだし、ある程度は観光っぽいこともしたいとは考えていたんだけど、半日ってのはずいぶん中途半端な時間の空き方で、結局この日の朝まで何も決められずに来てしまったというわけ。

 まあいい、まずは朝飯を食おう。向かったのはホテルの3階にある「小石川」という日本料理店。 昨年の札幌遠征の時にここの朝食の美味さが気に入って、その上あの時は「ご飯のお代わりをしなかった」ので、今年は何としても‥‥!と意気込んでいたのは私だけだったろうか(汗)。 でもここの食事はホントに美味しいのです。料金内だから懐も痛まないのがいい(ぉ)。



 当然、ご飯はお代わりしましたですよ。今年も美味しかった。ごちそうさま。

 食事を終えて部屋に戻って、二人でガイドブックを身ながら色々検討していたんですが、やっぱり適当な観光スポットが思いつかない。 それならばいっそのこと、「観光的な要素が薄い、何も無さそうなところ」を選んでみようと思い立ち、K氏とも相談して藻岩山に登ってみることにしました。 麓まではそんなに遠くないし、ロープウェイで上まで上がれるらしいので、多少は良い風景が拝めそうです。 必要最低限の撮影機材だけを持って、いざ出発。

■だから、暑いってば■
 何に乗ってどう行くなんてことは深く考えもせず、とりあえずそっちの方向に歩いていけ的なノリで、ホテルを出る我々二人。 このとき時間は10時頃で、ガイドブックによれば藻岩山のロープウェイは11時からの営業だというから、急いで行っても待たされる恐れもあるわけやな。 カメラを担いでブラパチしつつ、どこかでバスにでも乗ればいいかと気楽な気持ちで歩き始めます。


この日の朝の札幌市街。前日よりは多少雪が。



「無断駐車厳禁 発覚した場合はエアー抜きと5万円徴収します」(ぉ


 ホテルから西に歩いて、円山公園駅の近くまで行ったところで向きを変えて南下。 二人とも長距離を歩くのは屁でもないという人なので、バスに乗ろうかとかタクシー捕まえようかとかそういう話はほとんど出ず(笑)、ひたすら歩きます。 地図を見つつ、auのEZナビウォークとか使いつつ、「こっちでほんまにええんやろか」とか思いつつも、気がつけば藻岩山のロープウェイ乗り場の前まで来ておりました。 所要時間は一時間少々。なんだ、割と近いのね。 日差しが強くて、たいそう汗をかきました、はい。 やっぱり今年の札幌は暑いわ。

 窓口で往復の切符を買って、何年かぶりのロープウェイに乗り込みます。

■何とかと何とかは高いところがお好k(ry■

ロープウェイの中から市街を見下ろす


 ロープウェイに乗っている時間は5分ほど。ガイドのおねいちゃんの声を聞きながらも、高いところが妙に好きな私はバシバシ写真を撮っております。 天気が良い日だから景色が素晴らしいわい。いい感じ♪

 ロープウェイを降りたら、さらにそこから山頂の展望台に登らなあかんのね。 見ると「もーりす号」と土手っ腹に書かれた車両が待ち構えておりますよ?  足を見たらキャタピラだ。これは楽しそう。


もーりす号


 乗ってみたら、ゴツゴツとした感触は伝わってくるけども乗り心地はそんなに悪くないね。 速度は20km/h出てるか出てないか程度だと思うんだけど(詳細不明)、そのスピードでけっこうな急坂を登っていくので、なかなか爽快な気分です。 途中で、[でっかいソリを引く「もーりす号」]も見かけたけど、アレには乗れへんの? 帰りに乗れるかな?  しばらくして藻岩山山頂の展望台に到着、売店には目もくれずそのままてっぺんの展望台に上がります。

■藻岩山で大当たり■

展望台から網走方面を望む


 展望台からの眺めは、お世辞抜きで最高でおました。 空は快晴で真っ青、風は冷たいけど心地よい。 展望台に据えられたアンテナ鉄柱が邪魔といえば邪魔だけども、それ以外の方向は視界を遮るものもなく、実に素晴らしい眺望です。 言葉で言い尽くせないってのは、こういう感覚ですね。 しばし展望台でくつろぐことにします。(でもけっこう寒い)

 帰りは、来る時に見かけた[でっかいソリを引く「もーりす号」]に乗るために、タイミングを見計らいます(笑)。 そしてやっと(というほど苦労はしていない)捕まえました、ソリを引く方の「もーりす号」。 ソリには12人くらい乗れるのかな?  ほぼ満員で、登ってくる時に来た道を戻ります。つまり下り坂ですわな。



 うはwwwwwwこれ楽しすぎwwwww  登りに乗った方のもーりす号はキャタピラだったから乗り心地もゴツゴツしていたけど、このソリの方は当然のことながら滑らかな感触。 ソリ自体が重量あるみたいで、左右に振られることもなくかなり安定した乗り心地です。 ‥‥が、楽しいのはそれではなくて、やはり「でかいソリに乗って雪道を下る感触」でしょう。 動力車のキャタピラが跳ね上げる雪がかかって冷たくて、当然風も冷たいから寒くて、でもこれに乗ってること自体が楽しいので顔は笑いっぱなし。 ええ歳こいたおっさんが何をはしゃいでいるのやら(笑)。

 藻岩山、大変楽しゅうございましたよ。また「もーりす号」に乗りたいなぁ。

■昼食食わにゃ戦はできぬ■
 藻岩山から下りたところで昼過ぎ。今度は路面電車を使って都心へ戻ります。 競技場に向かう前に昼食を食いたいけど、めぼしいところが見あたらず、迷っているうちにホテルに到着。 仕方ないからホテルの中の「Patio」というレストランで、ランチバイキングを食べることにしました。



 1350円也。高いだけあって美味いわい。 こういう食事の時は野菜が不足しがちになるので、野菜サラダは極力多めに摂るようにします。 私の場合はドレッシングも塩もかけませんで、そのままバリバリと。 昼間っからこんな贅沢な食事をしていていいんだろうか、いやいいに違いない(自己完結)。 K氏はデザートも食ってたな。さすが、やりよる(何が)。

 食事が終わったらいったん部屋に戻って、身支度。 昨日と同じような天候のうえ、今日の方が気温が高いのだから、防寒装備は昨日と同程度で十分だろう。 着替えて、機材一式バッグに詰め込んで、15時過ぎに競技場に着くくらいの時間に出発します。

■興奮の団体戦■
 競技場の開場時間が昨日と同じなので、現地に向かう行程も前日の行動をなぞるだけという感じ。 前日は試合終了時に気温が-8℃程度まで下がってけっこう寒かったけど、この日の天気予報ではそこまで気温は下がらないとのこと。 日曜日ということもあって観客動員数は増えるかもしれないなー、なんて考えつつ現地へ向かいました。

 地下鉄円山公園駅から出る無料送迎バスが競技場の入口に到着したのは、15時10分過ぎ頃。 入場ゲートでは前日と同じようにボディチェックと手荷物検査をやっておりました。 この日は手荷物検査をする時点で「厳ついカメラボディ(D200+MB-D200+20mmF2.8)」を肩からぶら下げていたので、カメラバッグの中を検査するおっちゃんが少しビビっているようでした。 いや、俺プレスでもなんでもないから、そんなに引かんといて(笑)。

 ゲートを通った後はスタッフの方が配っている日の丸の旗を一本もらって(前日はもらわなかったのさ)、早速この日の撮影ポイントへ向かいます。 前日に陣取った「飛距離100m前後のランディングバーンの真横」という場所は選手から近すぎてダメだったけども、だからといってバーンから真横に遠ざかってしまうと遠すぎてダメだったりするのが、大倉山の観客席の構造。 そんなわけでこの日は、「飛距離134m(ヒルサイズ)のランディングバーンの真横」でカメラを構えることにしました。 要は前日よりバーンの下の方に移動したわけです。 選手達が飛んでいるのをカメラで追いかけると、途中でバーン横の「赤い吹き流し」が視界に入ってしまうのが玉に瑕ですが、前日よりも撮影はだいぶ楽になります。

 この日の撮影で「絶対に失敗したらあかん!」と自分に言い聞かせていたのが、テストジャンプで「ゲスト出演」する往年の名ジャンパー、アンドレアス・ゴルトベルガー氏。 ワールドカップのTV中継では、彼のヘルメットに取り付けたビデオカメラで「ジャンプを飛んでいる時の映像」を流すのがすっかり定着しています。 前日の個人戦の時はカメラの準備が間に合わずに写真が撮れなかったので、今日のテストジャンプではこのシーンを撮影するのを最優先に待ち構えてました(笑)。


リフトでスタートゲートに向かう途中で、観客席からの声援に応える。大人気。



ヘルメットに取り付けたビデオカメラとマイクに注目


 実はこの時、観客席で私のすぐ隣で観戦されていたのが[野々村岳明さん]のお父様でした。 最初は全然気がつかず、途中でノイズチームと一緒に観戦されていた野々村さんから紹介して頂いた次第です。 あぁぁぁうぁぅぁぁうあぁ(錯乱)、場違いな大阪弁で騒がしい二人で申し訳ありません(笑)。 今後ともよろしくお願い申し上げます〜。

 肝心の試合は、正直言いますとワタクシめは、日本チームにメダルなんて、全く、一切、これっぽっちも期待しておりませんでした。 前回2005年のオーベルシュトドルフ大会では2ndラウンドにすら進めず、今シーズンは序盤から調子が全然上がらずにポイントすらまともに稼げていない日本チーム。 前日の個人戦でも最高順位が高校生の栃本が出した16位という記録で、この状況で上位入賞なんて期待する方がどうにかしてます(きっぱり)。 大切なのは、「大舞台で団体戦という難しい試合を戦うこと」、「団体戦のプレッシャーを経験した上で次の大会次の試合に活かすこと」であると私は考えていました。 少なくとも、個人戦では全員に見られた「無駄に力んだジャンプ」が、この団体戦では一本でも少なくなるようにと祈るだけでした。

 ‥‥で、そういう状況で始まった団体戦がどのような結末になったかというと、今更ここで述べるまでもありますまい。 優勝:オーストリア、2位:ノルウェー、3位:日本。 2ndラウンド進出などというハードルはあっさり乗り越えた上で、何とメダルに手が届いてしまったわけです。 ([こちら]のページもご覧ください)

 ライバルのフィンランドとロシア、ドイツなどに失敗ジャンプが多く見られたことも、銅メダルの要因の一つと言えましょう。 しかしながらこの結果は、日本チームの選手達全員がその時に持てる力を存分に発揮した上で、「地元開催+観客の祈り」が呼び込んだ「神風」がもたらした、非常に多くの要素を絡めた結果だと、私は考えます。 この結果の数字がそのまま今の実力かというと疑問を抱かざるを得ませんが、だからといってこの銅メダルの価値が下がるわけではありません。 むしろ堂々と、「地元開催の大舞台で勝ち取った銅メダル」と胸を張るべきだと思うのですよ。 選手達も、関係者も、そして観客の我々も。


向かい風に乗って飛距離を伸ばした伊東大貴。131.5m



電光掲示板の3位の欄に「JPN」の文字が出た瞬間。


 競技終了後はブレーキングトラックでフラワーセレモニーがあります。 当然の如く、観客がそこに殺到。 前々からブレーキングトラックで場所取りをしていないと良い撮影ポイントは押さえられないので、フラワーセレモニーの写真は半ば諦めて、K氏と二人、ゆっくりと片づけをしてから下に降りました。

 ブレーキングトラックでは、メダルを取って大騒ぎな日本人の観客以上に、阪神ファンもびっくりなテンションで騒いでいるノルウェーの応援団の皆さんが印象的でした(笑)。 手回しのサイレンを背負って応援するのがあちらさんのポリシーなのかしらん。 メダル獲得で気をよくしている者同士、見知らぬ土地のジャンプファンに祝福の言葉をかけ、一緒に写真を撮ったりしている光景が見られるのは、とても良い雰囲気ですね。


狂乱の宴(爆)


 ノルウェーの応援団から少し離れた場所にノイズチームの皆さんが陣取ってらっしゃったので、[野々村岳明さん]を見つけて、ご挨拶。 この日もしっかりと握手(笑)。 思いがけない(ぉ)銅メダルにお互い興奮しているので、会話もかなりハイテンションです。 「機会があれば白馬にも見に来てくださいよ」なんて無茶なことを言ったりしまして(笑)、ひとしきりお話ししてからお暇させて頂きました。

 競技場を出る無料送迎バスの行列が一向に進む気配がないので、しばらく時間を潰そうとブレーキングトラック脇の売店スペースに飛び込んで「大倉山土産」を物色していたら、[北海道建築工房]の水野さんとばったり再会。 この日は観客席の少し離れた場所でちらっとお見かけしたんですが、その後移動されたのか、しばらくすると姿が見えなくなっていて、この日にお会いするのはもう無理かなと諦めかけておりました。 野々村さんと同様に、水野さんもお話をしている時はずっと笑顔。 やっぱり嬉しいですよね、こういう試合を間近に見られたんだから。 ヒゲオヤジさんご本人がお仕事で来られなかったというのがとても残念ですけど、どうせ我々のことです、大倉山にはまた来ますから(ぉ)。 次にお会いする時には、みんな一緒に祝杯をあげられるといいですね。楽しみにしております。

■祝杯だ♪■
 K氏と二人で無料送迎バスに乗り込み、円山公園駅に出ます。 「どこかで祝杯をあげよう」ということで、この日は店の選択肢が多そうな大通駅の方まで出てみることにしました。 前日の豚肉料理の居酒屋もとても美味しかったけど、北海道に来て魚を食わないのは我慢ならんわけでして(笑)、そういう方向で店を物色。 結局、南三条の居酒屋「三条浜市」という店に入ってみることにしました。 時計を見たら22時を回るところ。場所が場所だけに、すぐに店を閉めることはないやろ。 お客さんもいっぱい入っていたので、安心かな。


食うわ食うわ


 魚ウマー! 刺身ウマー! ハタハタウマー! 子持ちのハタハタなんて食べたの何年ぶりだろう? いやもう、たまらんです。 酒も美味しかったし、魚もご飯もたらふく食えたので、たいへん満足であります隊長!  K氏と色々話し込んで、腹一杯になった頃合いで時間を見たら、24時になる少し前。 周りを見渡すと他のお客さんはあらかた帰ってしまって、店内には我々二人が残るだけでした。 これ以上の長居はお店にも迷惑だろうから、お会計を済ませて店を出ます。

 ホテルまで少し遠回りして歩き、暖かい風呂にゆっくり浸かって疲れを落としましょ。 相変わらずこのホテルのバスタブはヤバい。あまりに快適で寝落ちしそうだ(汗)。 風呂から上がっても次の日の予定を決める余裕などなく、騒いだ疲れで泥のように眠る我々でおました。

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